Google Stadiaはゲーム業界の革命となるか?

Photo by Sean Do on Unsplash

Google は 2019年3月20日、「GDC 2019」で Stadia という新サービスを発表した。これがゲーム業界に大きな変革をもたらすのではないかと大きな話題となっている。

Stadia GDC 2019

Stadia とはなにか

Google の発表によるとゲーム機や高性能なハードウェアなしでもブラウザ上で高品質なゲームが遊べるというものだ。今までのようなゲームクライアントをダウンロードし、ユーザのマシンでグラフィックを描画処理をさせるというものからクラウドサーバでその処理を全部行って、出力結果をブラウザに映し出すというもの。ゲームストリーミングサービスと呼ばれている。

さながら動かせるストリーミング動画といった感じだ。Google のサーバがゲーム機本体でユーザの端末がモニタとコントローラの役割になる。すべてサーバ上で処理するため、ハードの処理性能でプレイに差が出づらいことと、チート行為を防ぐことができると Google のフィル・ハリソンは力説した。

専用のコントローラも公開、特定のWebページで真ん中の Play Now ボタンを押すことで 5秒 以内でゲームが起動するという。また専用コントローラでなくとも既存のコントローラやキーボード・マウスも使えると付け加えた。


様々なプラットフォームに対応

極端なことを言えばネットにさえ繋がっていれば誰でも高品質なゲームが楽しめることになる。PCはもちろん、スマホやノートパソコンでも。

Google はこれまでこの新システムで「アサシンクリード オデッセイ」などを試験運用して行ってきており、その結果が良好だったために発表に至ったのではないかと言われている。

プレゼンテーション内でも Pixel 3 XL を取り出し、 1080p 60fps でプレイしてみせた。


Google の強み

実は同じようなプロジェクトが今回の GDC で Microsoft や Nvidia から発表されている。かつても同様のストリーミングサービスが他社で行われてきたが、データ圧縮の劣化や反応の遅延問題でことごとく頓挫してきた。

しかし、 Google の圧倒的な強さはそのサーバの数にある。世界中に Google はデータセンターを建設しており、そのサーバのキャパシティが有り余っている状態だからこそ発表したのだろう。 およそ 7500 ものエッジノード(ユーザと直接通信施設、ゲートウェイ・ノードとも呼ばれる)を整備しており、 ユーザとサーバ間のレイテンシーが最小限に留めることができるとした。ちなみに Stadia サービスのサーバは AMD 製のハードを使用しており、単一インスタンスのおいて 10.7 tflops もの性能を叩き出すという。これは PS4 と Xbox One X を合わせたグラフィック性能よりも高い。

搭載されるオペレーティング・システムは Linux 、ゲームの開発言語としては Vulkan API を使用することを明言した。ゲームエンジンは多くの採用実績がある UNITY や Unreal Engine と提携。他多くの企業からの協力を得られるようだ。


Youtube との連帯

Google は Youtube との連帯にも積極的に取り組むと発表。実況動画などの隣にプレイボタンを設けてすぐに遊べるようになるなど、アクセサビリティにもこだわりを見せてきた。

Youtube の詳細な売上高こそ開示してされていないものの、今やアナリストから S&P500種構成銘柄の半数よりも多くの売上高を稼ぎ出していると予想されている巨大事業だ。スーパーチャットの設置や不適切動画の徹底的な削除など、様々な施工が実を結んだのだろう。

かつてゲーム実況など他サイトで行われてきた文化を次々と吸収している。この新サービスを導入することでますますの発展が予想できる。


ネット環境に依存

このサービスが普及する大きな障害になってくるのはネット環境の整備だ。

Google が自社で調査した結果、一般的な光回線環境で入力操作から出力まで 166ms の遅延となるらしい。となると不安定な通信環境ではどうなるのだろうかという疑問が湧いてくる。日本国内でも一向に通信環境を改善しようとしないゴミみたいなプロバイダはたくさんあり、地域によって選択肢がないことも多い。米国でも人口が少ない州だといまだにダイアルアップ回線なみに遅い地域などがあり、通信環境の地域格差は問題になっている。また日本ではかなり割高な通信量の問題もある。

FPSや格闘ゲームのような反応速度がものを言うゲームでは 166ms ものレイテンシーは致命的ではないかという指摘もされている。今現在のゲームでも多少の遅延を緩和する対策が取られており、この程度の遅れは問題にはならないゲームも多いが、少し基地局から離れると300ms くらいの遅延は起きてもおかしくない。これが原因でこのシステムに採用されるゲームがレースゲームやアクションゲームと言った遅延がそれほど影響しないものに限定される可能性がある。


いつから?

今年2019年に北米でサービスが開始されるが、日本での提供予定はまだ未定だそうだ。

上記のように様々な問題が山積しており、なかなか普及は厳しいのではないかと思う。 Google がどれだけ本気なのかにかかっているのではいかと思う。


こちらの記事もどうぞ

Linux で War Thunder Vulkan 版を試す 更新:2019年1月24日 現在の War Thunder の Linux クライアントはひどい有様だ。Gaijin からはいつ改善するのか相変わらず何も告知はない。 私は諦めて Windows でプレイしてしまっているが、水面下で Vulkan API での開発がゆっくりではあるが進...
Linuxで遊べるVulkan APIなゲーム 2018 更新:2018年9月25日 今現在(2018年9月)、 Linux で遊べる Vulkan API で開発・移植されたゲームたち。 本稿は、 Vulkan API の普及を応援するために書いた。 Vulkan で開発されたからと言って必ずしも最新の OpenGL にパフォ...
ゲームとか Youtuber とかお金について 今月24日付けに theOrangeDoom という WarThunder 界隈では割と有名な Youtuber がやめることを宣言した。 彼は陸戦ではアグレッシブな戦い方に加え、Youtuber の中では空戦や近接航空支援の技術に目を見張るものがあった。数年前に大学を休学してから、 Twit...
LinuxでWarThunderを遊ぶ前にやっておくこと... 専用クライアントを使ったゲームにしては珍しく、War Thunder は Windows、Mac だけでなく、Linux にも対応している。 (2019/02)追記:Vulkan 版が安定してプレイできるようになってきた。 Linux で遊びたい場合は Radeon を買って...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。