[Arch Linux] Oracle VirtualBox VM インストールと設定

『Oracle VM VirtualBox』は Oracle 社が開発している仮想マシンを動かすためのハイパーバイザーです。既存のオペレーティング・システム上でツールとして動作するタイプ2型ハイパーバイザーなので手軽に導入することができます。

本稿では筆者が Arch Linux 上に VirtualBox を導入した際に行った設定などを乗せています。

本体のインストール
モジュールのインストール
ゲストツールのインストール
ユーザグループ登録
拡張機能のインストール

本体のインストール

VirtualBox のクライアントをインストールします。クライアント自体はオープンソースなので Arch 公式リポジトリに置いてあるので Pacman で取ってくるだけです。

$ sudo pacman -S virtulbox

モジュールのインストール

ホストPCが使用中のカーネル用に VirtualBox モジュールをインストールします。

標準 Linux カーネル

Arch 標準の Linux カーネルを使用している場合、ビルドされたバイナリファイルが用意されている以下のパッケージだけで大丈夫です。

$ sudo pacman -S virtualbox-host-modules-arch

インストールログ

Install DKMS modules
==> dkms install --no-depmod vmware-workstation/17.6.2_24409262 -k 6.12.8-arch1-1
==> dkms install --no-depmod vboxhost/7.1.4_OSE -k 6.12.8-arch1-1
==> depmod 6.12.8-arch1-1

カスタムカーネル

カスタムカーネルを使用している場合はモジュールをビルドする必要があります。 VirtualBox DKMS（Dynamic Kernel Module Support）だけでなく、コンパイルするために対応したヘッダファイル郡を導入します。以下の例は ZEN カーネルの場合です。

$ sudo pacman -S linux-zen-headers

$ sudo pacman -S virtualbox-host-dkms

インストールログ

Install DKMS modules
==> dkms install --no-depmod vmware-workstation/17.6.2_24409262 -k 6.12.8-zen1-1-zen
==> dkms install --no-depmod vboxhost/7.1.4_OSE -k 6.12.8-zen1-1-zen
==> depmod 6.12.8-zen1-1-zen

ゲストツールのインストール

ゲストOS 用のドライバーなどが入っている ISOファイルを導入します。このパッケージがインストールされているとわざわざ Oracle のホームページまで行ってツールをダウンロードする手間が省けます。

$ sudo pacman -S virtualbox-guest-iso

ユーザグループ登録

グループ vboxusers にユーザー登録されていないと以下のようなエラーが表示されます。

VirtualBox is not currently allowed to access USB devices. You can change this by adding your user to the 'vboxusers' group. Please see the user manual for a more detailed explanation.

ホストマシンのUSBデバイスへアクセスが許可されていないというエラー文です。

$ sudo usermod -a -G vboxusers hogehoge

-a は append （追加）するというオプションで、-G はプライマリグループの代わりにセカンダリグループを変更するオプションです。プライマリグループを変更するとシステムが壊れる可能性があるので必ずセカンダリを指定します。 -a -G 合わせてセカンダリグループにユーザーを追加します。 -aG とも表記できます。