先月、半年近く使ってきた「TicWatch Pro」が突然起動も充電もしなくなった。
動かなくなる前は付属のチャージングドックに載せたら充電している旨のアイコンが表示されたが充電自体しない症状が現れた。最後には完全にスマートウォッチ内の電源が完全になくなったためか、アイコンすら表示されなくなり、うんともすんともしなくなった。
ドックに載せた状態でも本体が全く暖かくならないことから通電していないというのはなんとなくわかっていた。
Mobvoi社に問い合わせ
製造元であるMobvoi社に問い合わせたところ販売店が対応してくれるということでAmazonの担当者の方に引き継いで頂いた。やり取りはすべてメールにて行われた。
領収書とスマートウォッチの画像や状態を説明するとクレードルの問題だろうということをすぐに検討をつけていただき、こちらが返事をする前に早速代わりのクレードルをタダで送ってもらえることになった。おそらく同じような問い合わせが何件もあったのだろう。
2日後には充電器が届いた。この際、5V・1A の電源アダプタを使うように注意された。
確かにクレイドルの裏側に 5V-1A (MAX) との表記がある。スマートウォッチはけして安い買い物ではないのだ。そういうことならば最初から充電器を同封するかデカイ注意書きくらい貼っつけてほしかった。
いつまで無料対応を行ってくれるかわからないが、同じ症状がある方はすぐに販売店に問い合わせた方が良いだろう。
故障の原因はなに?
他にもこういう故障は起きていないのか調べてみたところ、某海外掲示板やMobvoi社公式のフォーラムだけでもたくさん同じような症状で動かなくなったという報告があった。
某海外掲示板によればMobvoi社のチャージング・クレイドルは規定値を大きく超える電圧を流し続けると自ら回路を焼き切ってしまう設計らしい。コストダウン、小型化とウォッチを守るための対策だろうけどお粗末と言わざる得ない。
これを直すには一回5Vワイヤーのハンダを溶かして直接ピンにハンダ付けし直すことで壊れた回路を回避して充電できるらしい。簡単ではあるが電子工作をしたことのない人にとっては心理的ハードルが高い。私も分解しようとしたが思ったよりも接着が強くプラスチックがかけてしまった。ある程度クレイドルを熱し接着剤を柔らかくしたあとに作業に取り掛かったほうが良いかもしれない。
具体的にはクレイドルをこじ開けて、赤いワイヤーをポゴピンの根本にハンダ付けするようだ。下記のサイトのページの一番最後の画像で中身を確認できる。
しかしこの充電ドックの回路自体非常に脆弱なので急速充電器などが使えるようなアダプタの使用はたとえ改造を施したとしても避けるべきだ。スマートウォッチの破損どころか火事の元にもなりかねない。
新アダプタ購入
家に転がっていたアダプタはいずれも 5V・1A のものがなかったので取り寄せることにした。
今回は安心と信頼の国内大手家電メーカーELECOMのUSB充電器を購入。「AVA-ACUAN007」。
安さと「10年使える長寿命設計」という触れ込みが決め手となった。
学んだこと
今回学んだことは当たり前のことだろうが、急速充電に対応していない機器を急速充電対応の充電器に挿すのは危険なことじゃないだろうか、ということ。最近の USB 充電器は急速充電対応かつ複数のポートがあるのが普通になってきた。
充電器だけでなくUSB デバイス側も当然対応あるいは対策がしてあるものだと思いがちだが購入時にちゃんと対応のボルト/アンペアを調べてから使った方が良さそうだ。
最近では寝ているときに急速充電を無効化してバッテリへの負担を軽減するスマートフォンなども出てきている。
高品質な電圧保護コントローラが搭載された機器であっても、高負荷を常に与え続ければ寿命が縮んでしまうかもしれない。デバイスの上限を大きく超える性能の充電器を使うのは今後避けたい。
よろしければこちらの記事もどうぞ。
TicWatch Proの動作が遅く、どうしようもなくなくなってしまったときの対処法。
副作用があるがかなり動作が改善する。
おわり
コメント
役に立つ記事ありがとうございます。
こちらの商品は保有していないのですが、開発技術者としてのコメントです。
入力5V – 1A (MAX)の意味が理解できないのですが、おそらく出力(定格)に対してじゃないかと思われます。
電気の単位は電圧V電流A電力Wであらわされるのは中学の理科で学んだはずですが、web上の解説ではほとんどぐちゃぐちゃに混同されちゃっています。(電池に対しては容量が追加されますがAh)
さて電流に関しては接続回路に依存いたしますので、一般には多い分には影響はありません。
少ないと電圧が落ちて回路の誤動作や電源が発熱しますが(ショート状態です)電圧が変わらなければ電流はおなじです。
家庭のブレーカーが10Aより50Aのほうが安定して使えるのと同じ理由です。(ドライヤーや電子レンジは壊れないですよね?)
充電池に対しては内部抵抗に依存するので、5vの電池に5vをつないでも充電はされません。急速充電は電圧を上げて無理やり注ぎ込むイメージです。
(定格1.2Vの乾電池型ニッケル水素が、充電終了時に1.6v以上あるのはこのためです。)
参考
https://printgo.fun/information/detail/33/#ww-IcGVAdBmkJ(大体あってます!)
https://connectinternationalone.co.jp/news/iphone11-pd