前回 KPH30i を解説レビューしましたが、去年末(2021年)に KOSS の新型ヘッドホンがリリースされたので早速買ってみることにしました。
この KPH40 こそがPorta Proの直系と言って差し支えないでしよう。
この記事は私の財布の提供でお送りします。
スペック
周波数 | 15-25,000 Hz |
インピーダンス | 60 Ohms |
音圧 | 101 dB SPL |
ケーブル長 | 1.2 m |
ジャック経 | 3.5 mm |
極限まで無駄を削ぎ落としたデザイン
形はソニー初代ウォークマンと同時発売されたヘッドホン MDR シリーズとそっくりです。ちなみにMDR-3 は 2022年 現在中古で 2万円以上 で取引されています。
KPH40 は KPH30 よりさらに無駄を削ぎ落とし、ヘッドバンドは弾性のあるテフロン加工の細いスチールのみになりました。このことにより耐久性が向上し軽量化が図られ、使いやすくなりました。指紋などの汚れがつきにくく清潔です。
ヘッドバンドの耐久性については KOSS 自身が6時間に及ぶストレステストを早送りなしで公開するという面白いことをしています。
YouTube – KOSS KPH40 Utility Stress Test – 6 Hours
アジャスタ部分はかなり華奢に見えますが、良い素材を使っているようで形状を記憶し、なかなか変形もしません。
スチール性なので強い力を与えればある程度自分の頭の形に合わせて整形もできます。金属製と言っても Porta Pro と違って一枚の細い板でできておりアジャスターは側面に変更されたため、髪の毛が挟まる心配はありません。
快適なつけ心地
KPH40 のバンドとドライバのつなぎ目には Porta Pro と同様、プラスチックのボールジョイントが使われています。このため可動域がかなり広いです。 KPH30i のようにプラスチックがきしむ不快な音は鳴りません。
ハッドバンドが細い金属一枚なのですぐに脱落してしまうのではないかと思われるかもしれませんが、総重量がわずか 60グラム にも満たないので滅多なことでは外れません。イヤパッドも厚さはそこまでありませんが旧来モデルよりも柔らかいです。
ドライバのハウジングもおそらく Porta Pro のデザインを流用しているため、シンプルな丸形にも関わらず耳への負荷は少なく長時間つけていても快適。たぶん YAXI パッドなども Porta Pro 用のものが流用できると思います。
オンイヤータイプなので夏場は蒸れにくくメガネをかけていても耳周りを圧迫しません。
耐久性があるフラットケーブル
ケーブルは KOSS 製品で長らく使われていた細い丸形ケーブルではなく、フェットチーネのようなフラットケーブルです。
ケーブルが絡まることが少なくなりさらに頑丈になりました。Porta Pro はしょっちゅう断線しましたがこちらは長持ちしそうです。素材もつるつるしたラバー製のためケーブルが布擦れして不快な音を立てることがないです。
別売りですが USB とライトニング変換ケーブルも売られています。Bluetooth アダプタもほしいところです。
深い低音と鮮明な高音
KPH40 は KPH30i と似た低音重視の音ですが、より低音のバランスがよくなったように感じます。
どのように実現しているのかわかりませんが小さなオープンバック・ドライバにも関わらず、すごく良い低音が出ます。ズシンとくるようなサブベースは控えめですがミッドベースがよく出るのでパンチのある低音が出ます。
それでいて高音中音も潰れることなくしっかりと出ており、バランスの良いヘッドホンです。そこらへんの低音をブーストしているだけのヘッドホンとはわけが違います。
残念な点
KPH40 にはものすごく満足しているのですが一つだけ残念なポイントがあります。それは変換ケーブルとの接続部である 2.5mm イヤホン端子の作りが甘いのか、時折右側の音が出なくなることがあります。ねじったり再挿入すると直りますが結構なストレスになります。
初期の設計ミス、製造ミスなのかはわかりませんが改善してほしいものです。もしかしたら初期のハズレ品を引いてしまったのかもしれません。
価格と入手場所
発売当初は一瞬で売り切れましたが数ヶ月経った現在米国のネットストアならば簡単に手に入れることができます。価格は MSRP で 39ドル、安いときは 20ドル ほどで購入できます。
日本でも売られ出していますが送料が本体価格と同じくらい高いという馬鹿げたことになっています。さらに本体がジャパンプレミアム価格ということで合計で 10,000円 ほどになってしまいます。
日本国内では高品質なパッドで有名なヤクシーさんがメルカリでセット販売しています。こちらかなりお買い得な価格になっています。
一番安く手に入れたい場合はAmazon USA でセールを狙って個人輸入で買いましょう。配送料も高くとも 12ドル 前後なので日本みたいな法外な送料がかかることはないでしよう。
おわり
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