KOSS Porta Pro、通称ポタプロは1984年に発売され30年以上も販売しているロングセラーの開放型ヘッドホンです。
国内外のオーディオマニアからも高評で価格も安いため、いまさらながら手をつけてみることにしました。
レトロなのに癖になるデザイン
この昔のスパイ映画に出てきそうなデザインは賛否両論がありそうです。初見だとむき出しのスチールバンドがまさに80年代と言った感じでチープ感が漂っていると言わざる得ません。
しかし不思議と惹かれるオシャレかわいいデザインです。
唯一無二の見た目なので外で結構目立ちます。
長い歴史があるだけあってバリュエーションも豊富です。MassDrop限定版や30周年記念モデルなどドライバが違うため微妙に音に差異があったり外観の色が違うモデルがたくさんあります。
このモデルはブラックのボディにナイロンケーブルが使われています。MassDrop版と酷似していますが通常版の限定色モデルのようです。
通常のポタプロはヘッドバンドは無塗装の銀でところどころにライトブルーが使われています。
ヘッドバンドはパッドなしの薄いスチール製のため非常に軽いです。
標準モデルでは起こらないですがこのモデルは黒で塗装されているので乱暴に扱うと剥げてしまいます。
長時間使用でも快適
耳の上に置くオンイヤー型のヘッドホンですが耳への負担も少なく装着感は良いです。
正しい使い方としては側頭部のこめかみパッド(テンプルパッド)でヘッドホン全体を支えるようにヘッドバンドの長さを調節して装着します。耳パッドの部分はそっと耳に置く感じです。この構造から長時間つけていても耳が痛くなりづらいです。
「comfortZone」という耳への圧を3段階に調節できる機構を備えています。「FIRM」でも耳パッドのあたりは優しいですが「LIGHT」にすることでさらに締め付けを緩くすることもできます。
テンプルパッドと耳パッドの間に隙間がありメガネが余裕で入ります。普段からメガネをかけている人には最適なヘッドフォンです。耳周りが蒸れないためオーバーイヤーヘッドホンに比べ夏場はとても快適です。
名の通り持ち運びも簡単
プラグは45°の角度になっており不意に強い力がかかっても壊れにくいよう設計されています。
とはいえケーブルが細いのとドライバとの接続部に断線対策が施されていないので耐久性に不安残ります。
折りたたみもできて手のひらサイズに変形させることができます。付属の袋にすっぽり入り携帯性も抜群です。
重量はわずか60g。とにかく軽いので付けてることを忘れて作業に没頭することができます。
軽い上にこめかみと耳のパッドの4点で本体を支えるため頚椎ヘルニアになりそうなほど強くヘドバンしても全く外れる気配はないです。
低音重視な元気な音
周波数 | 15 Hz – 25,000 Hz |
インピーダンス | 60Ω |
感度 | 101 dB SPL |
ジャック | 3.5 mm |
インピーダンスはわずか60Ωなのでどんな再生機器でも使えるでしょう。
35mmの割と大きめのドライバを装備しているため小さな外見とはうらはらに大きな音がでます。オープンエア型なので解像度はそこそこ良いです。
低音はガンガン出てパンチが効いています。このため曲によっては中音域が食われてしまうこともあります。高音域は抑えめでシンバルなどの楽器が少し潰れた音になってしまうのが残念なところ。
ですが見方を変えれば耳に刺さる不快な高音を低減してくれます。このため長時間つけていても疲労を感じない音に仕上がっていると感じます。
フラットな音とは言い難く忠実に原音を聞きたい人にとっては向かない商品です。クラシック音楽のように音に正確さを求めるならば期待はずれになってしまうと思います。「Pro」とついていることから、もともとは業務用モニターヘッドホンだということを聞いたことがありますがとちょっと疑いたくなります。どっちかといえばBOSEみたいな調整がなされています。音を楽しむためのヘッドホンだと感じました。
肉厚のパッドを装着するとドライバと耳の間に空間が生まれるため音のバランスがよくなるとの噂がありますので試してみたいものです。
遮音性はゼロ
オープンエア型のため音はダダ漏れで外では使う場所を選びます。ただ耳の近くにドライバがあるのであまり大きい音量を出さなくてもよく聞こえます。音量を抑えて使えば人の迷惑にならないかもしれません。
一方、自宅で長時間の動画視聴、音楽を聞きながらの作業に向いています。外界の音も普通に入ってくるので呼ばれたらすぐに気づきます。テレワークにも向いているかもしれません。
不満な点
前述した通り、おもちゃみたいな見た目をしていることから軽くて頑丈だと思いがちですがドライバとケーブルの接続部分がデリケートなため断線しやすいです。強く引っ張るとケージングがポロッと脱落することもあります。このためMMCX端子の取り付けなどMODが流行っているようです。
あとたまにヘッドバンドの金属同士の隙間に髪の毛が挟まってしまいます。私がくせ毛なのでそうなってしまうだけなのかもしれませんが月に2、3回は髪の毛が1、2本挟まってぶちってなってしまうことがあります。
またアジャスターが滑りやすいので毎回装着するたびに調整しなければならならなくなります。これはゴムや結束バンドなどを使うことで簡単に解決できるので目を瞑れる欠点ではあります。
まとめ
非常に軽く、装着感がよく、疲れを感じない。重低音が効いていて元気なサウンド。ノリノリな音楽を楽しむためならば最適です。
価格
数年前はebayなどから個人輸入をすれば2000円台で買えましたが取扱する業者がなくなってしまいました。
そのかわり少々割高ですが KOSS が Amazon JP で直接商品を取り扱うようになりました。
ポタプロ用のものすごくつけ心地が良いイヤパッド。肉厚できめ細かいウレタン素材で出来ている。
また、メルカリでは YAXI 社が Porta Pro 本体と YAXI パッドをお得な価格でセット売りしているので注目です。
おわり
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