Intel CPUの供給不足がメモリの価格下落をもたらす?

ハードウェア
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2018/09/16
改稿:2018/09/30

今週、 Intel は 14nm プロセス CPU 生産の一部を TSMC (台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング)に委託すると発表。インテルがモバイル向けの CPU の供給不足を引き起こしているためだ。TSMC はエントリーモデル CPU や H310 などの 300 シリーズチップセットを手がけるようだ。

他のファブリケーターが作るということは、同じチップでも性能の違いが出てくる可能性がある。

TSMC は AMD からも 7nm 製造プロセスチップの生産を委託される予定だ。ファウンダリー業界の覇権が誰の手にあるかより鮮明になった。

なお、 Intel の CPU 供給不足の原因は発表されておらず、はっきりとした理由はわかっていない。  2018 3Q に大量生産するはずだった、Whiskey Lake の設計に何らかの問題があったのではないかと言われている。この影響は他の 14nm++ プロセスチップ、 Coffee Lake などの生産にも及んでいる。14nm++ を生産しているラインは既に許容範囲を超えてパンク状態だという。それを物語るように低消費電力が命のモバイル向けプロセッサ Amber Lake を Kaby Lake と同じただの 14nm で出してきたりしている。

更には H310C というごく一部のチップセットのためではあるが 22nm ラインを復活させるようだ。

Tom’s Hardware – Intel Tock-Ticks Chipsets Back to 22nm

このように短期的な供給不足はいろんな要因が重なっているようだが。マクロ的に見れば 10nm プロセスの開発停滞が一番の原因だろう。

供給不足はいつまで?

Compal エレクトロニクスの CEO、 Martin Wong 氏によれば、 14nm プロセス CPU の供給不足は 2019 年中旬まで続くようだ。 Compal はアップル、エイサー、レノボ、デル、東芝、HPや富士通から ODM 生産を請け負っている信用に値する企業だ。

Wong 氏によれば、Intel はバイヤーにいつ供給不足が解消するのか予定を知らせていないという。このことから少なくともあと1年は供給不足は解消されないと予想できると語った。

Tom’s Hardware – Compal ODM Expects Intel CPU Shortage to Last Until Mid-2019

PCパーツの価格が下がる?

今週、 CPU が不足すればまとめて販売される SSD や DRAM の出荷量も減り、PCパーツの価格が下落するだろうと市場予測会社の TrendForce がプレスリリースしたことが話題となった。

Shortage of Intel CPU to Impact Notebook Shipments, Causing Further Price Decline in the Memory Market, Says TrendForce

Intel は外部に委託したことで供給不足はいずれ解決すると発表しているが、スケジュールを発表しておらず、相当苦しい局面にあるのではないかと想像できる。メモリの価格は多少下落するだろう。

しかしながら、メモリの価格は必ずしも単純な需要と供給に委ねられているとは限らない。DRAM メーカーが急な値崩れを防ぐために生産を調整してくる可能性もある。

追記:2018/09/25 サムスンが来年メモリ減産を計画しているという情報をサムスンの関係者が漏らした。

AMD の猛追

それと忘れてはいけないのが赤組の存在だ。AMD は Zen アーキテクチャの成功もあって、今年シェアを 20%から 30%へ拡大した。これは Intel の Core シリーズが大暴れする前、 2007年の 31.8%に匹敵する規模だ。 Intel の供給不足を尻目に更にシェアを拡大する可能性は高い。

思ったよりも DRAM の価格は下がらないと当方は見ている。

Photo by Laura Ockel on Unsplash

ー了ー

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