ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editon は ThinkPad シリーズ最上位モデル、いわゆるフラッグシップモデルです。レビュー機はメーカー様からお借りしたものです。
TL;DR
新型 ThinkPad X1 Carbon Gen 13 AURA Edition の注目ポイントはこちら
ThinkPad シリーズのフラッグシップモデルなだけあって、すべての構成パーツが高水準でパッケージングも素晴らしい弱点の少ない製品になっています。
自分が唯一残念だなと思った点は、指紋センサーの位置と Copilot ボタンです。
製品仕様・スペック
レビュー機のスペックは以下の通り
| 型番 | 21NS0000JP |
| 初期導入OS | Windows 11 Home / Pro 64bit |
| プロセッサー (CPU) | インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 258V (最大4.8GHz、8コア/8スレッド) |
| AI性能 (NPU) | インテル® AI Boost (最大 47 TOPS) |
| メインメモリ | 32GB LPDDR5x-8533MHz (オンボード/増設不可) |
| ストレージ | 1TB SSD (PCIe NVMe Gen 5 対応) |
| グラフィックス | インテル® Arc™ グラフィックス 140V (内蔵) |
| ディスプレイ | 14.0型 2.8K OLED (2880×1800)、16:10、120Hz、HDR500、DCI-P3 100%、輝度500nit、反射/汚れ防止 |
| ワイヤレス通信 | Wi-Fi 7 (IEEE802.11be/ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth v5.4 |
| 内蔵カメラ | FHD 1080p カメラ + IRカメラ (プライバシーシャッター付)、顔認証対応 |
| 生体認証 | 指紋センサー、顔認証 |
| キーボード | 89キー、JIS配列、TrackPoint、Copilotキー搭載、バックライト付 |
| オーディオ | ステレオスピーカー (2W×2)、Dolby Atmos®、Dolby Voice対応、360度全方位マイク×2 |
| インターフェイス | USB4 (Thunderbolt 4対応) ×2、USB 3.2 Gen1 Type-A ×2 (内1つはPowered USB)、HDMI ×1、マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック ×1 |
| バッテリー | 3セル リチウムイオンポリマーバッテリー 57Whr |
| 駆動時間 (JEITA3.0) | 動画再生時:約11.6時間、アイドル時:約14.5時間 |
| 本体寸法 | 約 312.8 × 214.75 × 14.37mm |
| 本体質量 | 約 986g |
海外では OS を Ubuntu や Fedora と Linux ディストリビューションを選べますが日本にはそのサービスがないようです。
外観・デザイン
天板は従来通りカーボン性ですが強度を保ちつつ軽量化、薄型化が図られています。

キーボードの配列が X1 Gen 12 と少々変わっています。

ヒンジは180度曲がります。

背面には給気口が2口。メッシュが貼られているので大きなホコリの侵入を防いでくれます。

裏蓋はプラスネジで止められているのでユーザーが自信でメンテナンスできるよう設計されています。

ただし、スナップフィット(嵌合爪)部分がたくさんあるのでギターピックかプライヤーがないと開けるのは難しいです。
インターフェース

左から以下のような構成になってます。
- USB 3.2 Gen 1
- Thunderbolt 4 x 2

- 電源ボタン
- マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
- USB 3.2 Gen 1
- HDMI
- セキュリティキーホール
ついに 1kg 以下を実現
「ThinkPad X1 Gen 13」は歴代の X1 Carbon が長年挑み続け、超えられなかった「1kg」の壁をとうとう突破しました。
最初に持ったとき、モックアップかと疑ったほど軽いです。しかし手触りがソフトで高級感があります。
14 インチで 1㎏ 以下のモバイルノートPCは他にも売られていますが、筐体の剛性が低く、タイピングするとたわむことが多いです。
ThinkPad X1 Gen 13 は、旧来の ThinkPad X1 Carbon のタイピングのしやすさ、剛性やバッテリ性能も維持しつつ軽量化に成功しています。
素材は歴代 X1 と同様、筐体にマグネシウム、天板にカーボン繊維が使われていますが、カーボン繊維の配向(向き)を再調整し、剛性低下を防ぎつつ薄型化を図られています。
またマザーボードの小型化とパーツのレイアウトの刷新が行われています。「Intel Lunar Lake」プロセッサーはデータ転送を高速化するためにメモリが CPUの上に乗っかっており、統合されているため基板面積の節約と軽量化に寄与しています。

一方でメモリ(DRAM)を増設できないというデメリットもあります。Ultra 7 258V は 32GB しか選択肢がないのでプロの映像制作や大規模なローカルAIを動かしたい場合は難しいかもしれませんが、ビジネスモバイルノートとしては十分すぎる性能です。

電源アダプターも 約 256g と小型軽量なため持ち運びも楽です。
刷新されたキーボード配列

キーボード配列は 右 Ctrl と Fn が旧来の X1 とは逆になっており、ようやく業界スタンダードになりました。

最近のトレンドなので仕方ないと思いますが、正直私的には他のLLMを使っているので Copilot の物理ボタンはいらないです……。誤タイプしますし便利に思ったことはありません。
あと指紋認証ボタンも、電源ボタンと一体化するか昔のようにパームレスト部分に戻してほしいです。
打鍵感は素晴らしく、キートップも湾曲したシリンドリカル型で疲れにくいです。

ThinkPad の象徴とも言えるトラックポイントと3連ボタン。タッチパッド面積が犠牲になっているので使いこなせない人にとってはデメリットにもなりえます。

タッチパッドも触り心地が良く、クリックも軽く、静音です。
AURA Editon とは?

Lenovo Aura Editon とは、簡単に言うと Intel と共同開発した”AI”ソフトウェアを搭載したプレミアムPCシリーズです。
主に以下の3つの機能・サービスを提供しています。
- スマートモード (Smart Modes)
PCのセキュリティを強化する「シールドモード」、作業への集中を助ける「アテンションモード」、Web会議で様々なエフェクトを与える「コラボレーションモード」、バッテリー駆動時の消費電力を押さえる「エコモード」など、状況に合わせてPCを最適なモードにします。 - スマートシェア (Smart Share)
スマートフォンをPCにタップ(または近づける)するだけで、簡単に画像ファイルなどを転送できる機能です。レノボ傘下のMotorola製品だけでなく、他社のスマートフォンでも利用可能です。 - スマートケア (Smart Care)
国内のどこにいてもバーチャルサポートを受けることができるプレミアムなサポート機能です(一部有料)。
スマートモードやスマートシェアが特別便利だとは思いませんでしたし”AI”の恩恵を感じませんでしたが、特別なサポートが受けられるスマートケアが目玉ではないか、と感じました。
2Kの美麗なOLEDディスプレイ
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editon のディスプレイはフラッグシップにふさわしい高品質な OLED(有機EL)ディスプレイが搭載されています。アスペクト比は作業空間が広い16:10、リフレッシュレートは 120Hz に対応しており、画面の動きが非常になめらかです。

色域は DCI-P3 100% をカバーしており、クリエイティブな作業にも対応できるディスプレイです。
輝度は日本語サイトには乗っていませんでしたが、英語HPでは 500nit と掲載されています。ほとんどのノートPC用のディスプレイは 400nit 止まりなのでスペック上はかなり明るいです。
しかし実際に屋外で使用してみると 400 nit のディスプレイを採用してる端末とあまり違いを感じることができませんでした。まあ野外でも十分に作業ができるくらいの光量はあります。

視野角も良好です。
超高速なデータ転送速度
NVMe SSD は Gen 5 が採用されたことによりストリージ速度も超高速です。
| テスト項目 (MB/s) | 読み込み (Read) | 書き込み (Write) |
|---|---|---|
| シーケンシャル最高値 (SEQ1M Q8T1) |
13,626.88 | 10,322.29 |
| シーケンシャル実用値 (SEQ1M Q1T1) |
6,696.04 | 3,910.69 |
| ランダム複数処理 (RND4K Q32T1) |
520.16 | 403.67 |
| ランダム単一処理 (RND4K Q1T1) |
73.01 | 132.66 |
※2回測定の平均値を算出(小数点以下第2位を四捨五入)
CrystalDiskMark でストレージ性能を測定したところ、読み込みで 約13,626MB/s、書き込みで約10,322MB/s という驚異的な数値を叩き出しました。
前世代の主流だった「PCIe Gen 4」の限界値(約7,000MB/s)の約2倍の速さに到達する「PCIe Gen 5」規格の性能がフルに発揮されています。
Gen 4 と体感変わらないだろ、と言われていますが、明確にアプリの起動やデータの移動が早くなったのが体感できます。
スレッド数が少ないが確かな性能のCPU
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionに搭載されているプロセッサーは、インテルの最新世代であるCore Ultra シリーズ2(開発コード名:Lunar Lake)の中でも低消費電力かつAI処理が得意な「200Vシリーズ」です。
| 製品名 | Intel Core Ultra 7 258V |
| コア数 | 8コア (4P, 4E) |
| ベース周波数 | 2.20 GHz |
| 最大周波数 | 4800 MHz |
| パッケージ | Socket 2833 FCBGA |
| コードネーム | Lunar Lake |
| L1 キャッシュ | 64 kb x 4, 48 KB x 4 |
| L2 キャッシュ | 2.50 MB |
| L3 キャッシュ | 12.0 MB |
8 コア・8 スレッドで構成されており、従来のハイパースレッディングは廃止、マルチスレッド性能がやや低い代わりに電力効率とシングルコアのリスポンスを重視したプロセッサーです。
オンパッケージメモリ(メモリDRAMをCPUの上に重ねる「MoP構造」)になったことによりデータ伝送効率が格段に向上、リスポンスの向上に寄与しています。
ベンチマーク結果
※電源アダプターを接続し、高パフォーマンス・モードで測定しています。
7-Zip ベンチマーク
| 機種 | CPU | コア/ スレッド |
圧縮 | 展開 | 性能 低下率 |
総合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ThinkPad X1 Carbon Gen 11 | i7-1365U | 10 / 12 | 51.715 | 49.020 | 48.6% | |
| ThinkPad X1 Nano Gen 3 | i5-1340P | 12 / 16 | 50.243 | 52.295 | 31.1% | |
| ThinkBook 14 Gen 6 | R5 7530U | 6 / 12 | 39.883 | 69.026 | 7.7% | |
| ThinkPad X1 Gen 13 Aura | Ultra 7 258V | 8 / 8 | 56.238 | 52.799 | 12.1% | |
| ThinkPad X1 Carbon Gen 12 | Ultra 5 125U | 12 / 14 | 52.726 | 53.586 | 29.5% | |
| ThinkPad E14 Gen 6 | Ultra 5 125H | 14 / 18 | 72.054 | 70.240 | 7.8% | |
| ThinkPad T14s Gen 6 SD | SD X1E78100 | 12 / 12 | 77.556 | 73.142 | 22.3% | |
| NEXTREME Infinity (2023) | i7-13700H | 14 / 20 | 98.540 | 101.850 | 23.7% | |
| ※ 性能低下率:測定1回目と10回目を比較した数値(小さいほど安定) | ||||||
評価
7-Zip のベンチマークは、CPUのマルチスレッド数(並列処理能力)がスコアに直結しやすいという特徴があります。
今回の Core Ultra 7 258V は 8コア/8スレッド(ハイパースレッディング非搭載)であり、前世代の X1 Carbon Gen 12(12コア/14スレッド)や Gen 11(10コア/12スレッド)に比べて、スレッド数において明確なハンデを負っています。
それにもかかわらず、Gen 11 や Nano Gen 3 といった過去のマルチスレッド上位モデルをしっかりと上回るスコアをマークしています。1スレッドあたりの処理能力(IPC)が劇的に向上している証拠です。さらにメモリ速度が大きな影響を及ぼす圧縮速度が低消費電力モデルCPUの中では非常に早いことがわかります。
また、熱ダレ(サーマルスロットリング)による性能低下は歴代 X1 Carbon の中ではトップクラスに少ないです。
Maxon Cinebench 2026
マルチスレッド
シングルスレッド
NOTEBOOKCHECK を参考にしています。
評価
「ThinkPad X1 Gen 13 Aura Edition」は Ultra 7 258V 搭載機の中央値よりもやや高いマルチスレッドスコアが出ていますが、シングルスレッドスコアではやや低いです。
このベンチマーク結果はゲーミングノートも含んでいるため、スコアが高くなりがちです。それでも X1 Gen 13 Aura は電源の制約があるビジネスノートの割にはよく他の高性能モバイル CPU に食らいついていると思います。
モバイルビジネス機の域を超えたグラフィックス
Intel Arc 140V GPU (16 GB) (VRAM 128 MB) は NVIDIA GTX 1650 Max-Q 相当の性能と言われています。
実際のゲームでは、どれほど快適なのか見ていきましょう。
ゲーム・ベンチマーク結果
結論から言うと、一般的な3Dゲームであれば、画質設定を調整することで十分にプレイ可能な実力を持っています。ビジネス向けの超軽量モバイルノートとしては、非常に優秀なグラフィックパフォーマンスです。
※電源アダプターを接続し、高パフォーマンス・モードで測定しています。
FINAL FANTASY XIV: 黄金のレガシー ベンチマーク
まずは中量級の 3D MMORPG である「FF14」のベンチマークです。
テスト条件は前世代機と同じ、フルHD解像度の「高品質(デスクトップPC)」「FSR有効」という、内蔵グラフィックスにとってはそれなりに負荷の重い設定で比較しました。
| 機種 | 搭載CPU / 内蔵グラフィックス | ベンチマークスコア | 画面評価 |
| X1 Gen 13 Aura | Core Ultra 7 258V / Intel Arc 140V | 6532 | やや快適 |
| X1 Carbon Gen 12 | Core Ultra 5 125U / Intel Graphics | 3407 | 設定変更を推奨 |

ThinkPad X1 Gen 13 Aura Edition は、前世代機からスコアが約1.9倍へと大幅に向上しています!
FINAL FANTASY XV Windows Editon Benchmark
続いてグラフィック負荷が比較的高い「FF15」のベンチマークです。フルHD・標準品質で計測しました。
| 解像度 | 画質設定 | スコア | 評価 |
| 1920×1080 (フルHD) | 標準品質 | 4399 | 普通 |

ThinkPad X1 Carbon Gen 13 AURA Edition の内蔵グラフィックスでスコア4399「普通」という大健闘の結果になりました。
前世代機はベンチマークエラーで起動すら厳しかったですが、Gen 13 では標準品質で普通に動くところまで来ています。動作が重いシーンを考慮して「軽量品質」に落とせば、さらに安定した動作が見込めます。
StreetFighter6 Benchmark
続いて、フレームレート(fps)の安定性が勝敗を分ける対戦格闘ゲーム「ストリートファイター6」のベンチマークです。フルHD・NORMAL設定で計測しました。
| モード(場所) | 平均フレームレート (FPS) | トータルスコア | 評価 |
| FIGHTING GROUND (対戦) | 32.73 FPS | 60 / 100 | 設定変更を推奨 |
| BATTLE HUB | 50.64 FPS | ||
| WORLD TOUR | 45.06 FPS |

対戦メインとなる「FIGHTING GROUND」で60 FPSを維持できるかどうかが快適プレイの基準となります。
今回の「NORMAL」設定では平均32.73 FPSとなっており、格闘ゲームとしてはカクつきを感じるため、ゲーム側の評価も「設定変更を推奨」となりました。
ただし、画質設定を「LOW(低)」に下げる、または解像度を落とすことで格闘ゲームに必須となる60 FPSは十分に狙えます。
他社製品との比較
価格.com より、2026年5月17日 時点で売れ筋の 1kg 以下の14インチノートを比較してみました。
※2026年6月5日現在のデータです
※全機種「Core Ultra 7 258V」「32GB DRAMメモリ」搭載
| ThinkPad X1 Carbon G13 |
FMV UA-K1 |
Dynabook XP/ZY |
|
|---|---|---|---|
| 画面 | 2.8K OLED | WUXGA | WUXGA |
| 動画再生 (JEITA 3.0) | 約16.6時間 | 約15.5時間 | 約15.0時間 |
| アイドル (JEITA 3.0) | 約29.9時間 | 約36.0時間 | 約30.0時間 |
| 重量 | 986g | 846g | 958g |
| 価格 | 298,914円 | 285,780円 | 236,500円 |
価格が高い高いと言われていますが、他の高級モバイルノートに比べてべらぼうに高いというわけではありません。それに筐体の耐久性、ディスプレイパネルの性能が一つ飛び抜けていることを考慮すれば、決してコスパが悪いというわけではないと思います。
感想
軽量なのにタフ、すべて高水準にまとまったビジネスノートです。
内蔵グラフィックスの性能もようやくここまで来たか、という感想です。
従来のビジネスノートだからゲームは無理という常識を覆す性能です。仕事用として最高峰の軽さと使いやすさを求めつつ、出張先や息抜きにカジュアルにゲームも楽しみたい、という欲張りなニーズに応えてくれます。
お わ り



コメント