AMD と ARM
AMD は2014年に 64ビット ARMv8 CPU コアを核としたコードネーム「K12」プロジェクトを発表した。この発表と同時に X86 CPU と ARM CPU を並行開発し、ピン互換をもたせるプロジェクトである「SkyBridge」も発表した。これらのプロジェクトは半導体業界で有名なジム・ケラー氏を主導に開発が進められた。
だが翌年の2015年に AMD は「SkyBridge」プロジェクトを中止になる。x86 CPU の「Zen」アーキテクチャと ARM CPU の「K12」アーキテクチャへと開発は分割された。
2016年には AMD はエンタープライズ向けに ARM Cortex-57 コアを搭載した Opteron A1100 シリーズを発売した。これが今現在確認されている最後の Opteron シリーズとなった。
Zen アーキテクチャがどうなったのかは誰もが知るところだと思うが、ARM ベースの「K12」は2017年にコンシューマー向けに何らかの商品を世に出す予定だったのが中止となり、2018年から現在まで音沙汰なし。開発が継続されているのか開発が終了してしまったかも発表がなかった。開発リソースを Ryzen に集中させたのではないかと言われている。
Zen アーキテクチャが思った以上のポテンシャルとスケーラビリティがあることがわかり、方針転換したのかもしれない。 AMD は Intel や Nvidia のように水面下でいくつものプロジェクトを進められるほど大きな企業ではないのも要因の一つだろう。
まあこのように PowerPC から続く Apple と ARM の関係に比べて年月は浅いが AMD もかなり深いところまで手を突っ込んでいた経歴がある。
K12 プロジェクト復活か?
この K12 プロジェクトが Apple Sillicon M1 SoC の衝撃的なデビューによってまた復活しているという噂が流れている。
NOTEBOOKCHECK によると AMD は DRAM が統合されたチップと統合されていないもの、2種類のチップの開発を進めているという。そしてそのプロトタイプがもう少しで完成するというリークがあったそうだ。来年 K12 コアと RDNA を搭載したチップを引っさげてノートPC市場に乗り込んでくる可能性はあるのではないだろうか。
まだ噂の域を出ないが本当だとしたらコンシューマにとっては大変喜ばしいことだ。 Nvidia や Intel も ARM ベースのチップの開発に着手しているという情報も出回っており、誰が一番に Apple Sillicon に対抗することができるのか注視していきたい。
Image by Michael Schwarzenberger from Pixabay
おわり
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