MacBook Pro 15 (2018) Core i9 版に異常発熱問題か?

Apple はできるだけ MacBook を静かにしたいがために排熱ファンの回転数を普通のノートPCでは考えられないほど落としている。

2017年製の MacBook で CPU の温度が 80℃ になるまでファンが動かないのだ。

このおかげで CPU や GPU 、コンデンサがオーバーヒートし破損することが珍しくないらしい。

ネットサーフィンや文章編集などだけに使っていれば問題はないかもしれないが、 MacBook を膝の上において動画編集などの重い作業をしようとすると熱くなりすぎておいておけなくなるほどだ。ちなみに英語圏でノートPCのことをラップトップ(膝上)と呼ぶ。

これが熱くなるだけなら MacBook の寿命が縮むだけで済むが、パフォーマンスにも深刻な影響を与える。

最近の CPU は 90~100℃ くらいの高温になると勝手に出力を下げて自壊するのを防ぐサーマルスロットリングという機能がついている。

つい今週発売された 第 8 世代 の Intel Core i CPU (Intel Core i9-8950HK)を搭載したモデルには今までの MacBook とは比較にならないくらいこの問題が深刻なようだ。

Dave Lee 氏の動画によれば、平均的な室内温度でもベースクロックを維持できないほど普段から発熱するらしい。

先程述べた低すぎるファンの回転速度もそうだが、単純にこの筐体には Core i9 を冷やすだけの能力が備わっていないのではなかろうか。 i7 用に設計したものにやっつけ仕事で i9 を載せた感が拭えない。

搭載されている Intel Core i9-8950HK はオーバークロック可能なアンロックされた CPU だが、このシャーシのせいでその真価どころか基本的な性能すら出せない模様。

動画の中では Adobe Premiere でのレンダリングでも去年の型 (MacBook Pro i7 2017) よりも遅いが冷凍庫に入れたら結果が逆転。いかに発熱しているかがわかる。

オプションではあるが i9 を載せたモデルは最低でもおよそ35万円はする商品だから、この問題の全貌が明らかになるまで様子をみたほうが良いかもしれない。

※追記

他の人が比較検証した動画でも発熱による性能低下が明らかになった。

2016年、2017年 の i5 型に比べ 2018年 i9版は、2コア増えているのでその分かなり性能は上がっているはずだが、差は微々たるものになってしまっている。

こちらの動画は有名な YouTuber の Linus 氏の動画。開封してからどれだけ早くサーマルスロトリングが始まるかのタイムアタック。

アイドル状態でも 60℃前後 というかなり高い温度が出ており、ベンチマークソフトを走らせたらわずか 10秒 ほどで 100℃ に。動画のレンダリングでも 1分 ほどで限界温度に達した。

追記:2018/07/24

思っていたよりも問題が根深いようで、サーマルスロットリング問題の他に CPU に電源を供給している VRM(Voltage Regulator Module) に問題があるらしい。i9 に必要なパワーを満足に供給できていないみたいでフルパワーになると VRM が異常発熱し、マザーボードがシステムを冷却するために CPU に最小出力(800Mhz)するように命令をだす。冷えたら今度はまた滞った処理を慌てて済ませようと最大出力にする。これを繰り返すため、かなり非効率的。

この問題は単純に サーマル・スロットリングのようにファンの回転数を上げれば解決するような問題ではないのが厄介。

Reddit – Optimal CPU Tuning settings for i9 MBP to stop VRM throttling / Explanation of Apple’s Engineering Failure



 

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