以前、マヨネーズをとんかつの衣として使う、「ずぼらとんかつ」なるものを作って大変後悔した記事を書いた。今回は様々な動画やサイトを見て覚えたコツをふまえつつ「普通のとんかつ」を美味しく作ることにした。
材料
豚ロース | 3枚 |
塩コショウ | 少々 |
卵 | 2個 |
小麦粉 | 100g(適量) |
生パン粉 | 袋一杯(適量) |
油 | 800ml |
とんかつソース | 適量 |
調理開始
常温に戻す
この通り、用意した肉は低品質なもの。消費期限が迫っているため、3枚で500円のものが半額の250円になっていたロース豚肉である。肉全体に鮮やかさがなく、端が色が若干赤黒くなっている。
まずは30分〜1時間位前に冷蔵庫から出して室温に戻すことが重要。肉が冷たいままだと中心部に火が通るまで時間がかかってしまい、水分が抜けて硬くなってしまう。
肉を叩く
豚肉ロースの外側の脂身だけ叩いて広げる。これは脂身に火が通りやすくするためだ。そのままだと揚がったときに固くなってしまうが、叩くことで硬い脂身が柔らかくなる。これによって肉の反り返りも防ぐことができる。傷つけたところから肉汁が逃げてしまうから極力包丁は入れないほうが良いが筋があれば少し切ろう。
塩コショウ
塩コショウはソースをつけて食べる場合は軽めに。高いところから均等にふりかける。
衣をつける
小麦粉はしっかりとつけたあと余分な粉を軽く叩いて落とす。つけすぎるとパン粉がうまくつかなくなる。
溶き卵に入れ、垂れない程度に卵液を落とす。
パン粉はたっぷりつける方が美味しくなるため力を入れて潰すようになじませる。生パン粉が望ましい。
時間を置いたら衣が固くなってしまうためパン粉をつけた後はすぐに揚げよう。
揚げる
低温調理という方法もありものすごく柔らかく仕上がる。しかし今回はあくまで「普通のとんかつ」を作る。
油はたっぷり使うべし。油は安くても良いのでボトル丸ごと入れるくらいの勢いで使ってしまおう。油は水と比べ粘度が高いため鍋の中の温度が一定になりずらい。このせいで火が当たっている鍋側を向いている下面だけ焦げてしまうことがある。揚げている最中も油が対流するようやさしく箸でかき混ぜて鍋の温度を一定に保とう。
パン粉を入れたときに勢いよく広がるのが180℃の目安。煙が上がってしまったら熱しすぎなので少し冷まそう。
今回は2回に分けて揚げることにした。 肉の厚さにもよるが最初に揚げるときは170℃くらいの油で4分間加熱して引き上げ、5分ほど休ませて、もう一度180℃で衣を30秒〜1分くらいカラッと揚げる。1回目で若干低い温度で柔らかく火を通し、2回目で衣をきつね色にカラッと揚げるというわけだ。
2回に分けない場合は180℃で大体4〜5分くらいを目安に揚げる。
一気に何枚も入れてしまうと油の温度が急に下がってベチョベチょになってしまうので家庭用の小さな揚鍋では1枚1枚揚げるのが鉄則。
コンロの火力にもよるが揚げてる最中は弱火から中火の弱くらいが良い。中火の目安は鍋底に火の先端が当たるか当たらないかという程度の火力。
衣が壊れてしまうためなるべく箸で突っつき回さないようやさしく扱う。
油から引き上げる際も箸でつまむのではなく、2本の箸で下から持ち上げるようにすると衣の破損を防ぐことができる。カス揚げやフライヤーなどを使うと便利。
引き上げたあとは網バットなどに取り、立てかけるように置くと油がよくきれる。
完成
切り分けを行うが揚げてから5分くらい休ませておくほうが中の肉汁も落ち着き、衣も覚めて少し硬くなるので切りやすくなる。
中までしっかり焼けている。好みよりも若干固かったためもう少し揚げ時間が少なくても良いかもしれない。だが「ずぼらとんかつ」のように切ったら衣がバラバラになるということはなく、きれいにカットすることができた。
個人的には市販のとんかつソースは濃すぎるので2倍くらいにお湯でうすめて食べるのが好み。とんかつ屋で使われているような少しシャバいソースになる。
感想
見た目も食感もマヨネーズ衣の「ずぼらとんかつ」より遥かによかった。揚げ時間が少し長かったのか低温調理よりも硬かった。だがこれくらいの噛みごたえの方が多くの人は好みかもしれない。
とんかつ屋はパンをその場でおろすから衣がよりきれいに立つらしい。今回使用した格安ロース肉と生パンはビッグ・Aの安物だったため、素材の差が出たのかもしれない。だが十二分に「美味い」の部類には入る出来だった。
美味いとんかつは家庭でもコツさえ外さなければ簡単に出来る。何ヶ月後になるのかわからないがまた安いロース肉が手に入ったときに低温調理法を載せたいと思う。
おわり
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