2019年8月22日
Slackware は現存する Linux ディストリビューションの中でも一番古い歴史をもっており、 Linux コミュニティに多大な貢献をしてきた。現在も少数ではあるが熱烈なファンがついている。
Slackware はパッケージマネージャは無いに等しく非常にシンプルすぎるくらいだが、その簡素さとカスタマイズ性の高さ、ずっと変わらない使い勝手から趣味だけでなく、学習にも良いとされてきた。
PATREON 事件
Slackware は Slackware のインストールメディアやグッズが買える PATREON ストアがあった。しかし、このストアは Slackware の開発者やコミュニティによって運営されていなかった。
旧 Slackware PATREON を作る際、Slackware の創設者である Patrick Volkerding 氏は開発に集中するため、ページの運営をとある人物に任せることにした。
当初の契約内容は企業を設立し、6割はページ運営者、 4割は Volkerding 氏と家族という取り分だったらしい。中身は社員家族の医療保険や商品の製作および発送、カスタマーサポートを請け負うというもので Volkerding 氏も納得したようであった。
だが、連絡もなしにこっそりと契約内容を変更されていたらしい。実に収益の 81% も運営者が巻き上げていた。その間、 Volkerding 氏は Slackware Patreon がほとんど利益を上げていなかったと思い込んでしまっていてひどく落ち込んだようだ。
自体が動いたのは Slackware の最新バージョンがリリースされたときだった。 Slackware のバージョン 14.2 のリリースは $100,000 (約1,000万円) もの利益を出した。しかし、Slackware の Patreon 運営者は $15,000 だけ渡して後は懐に入れた。これがバレた上にさらに運営者は後に多く渡しすぎたとのたまった。
不当な配当は何年も続いていたことがわかり、2016年にようやく Volkerding 氏が Patreon ページの運営者と一切の連絡を絶ち、コミュニティに助けを求めたことで問題は終息する。
後に Volkerding 氏が個人的な金銭問題を抱えていることが発覚し、コミュニティが寄付を募るようになったり色々と紆余曲折があり、なかなか Slackware の Patreon ページがつくられることなく月日が過ぎ去った。
ことの詳しい経由は↓に Volkerding 氏本人によって投稿されているので興味がある人はよんで欲しい。金銭問題での弁護士の大切さがよくわかる。
Slackware 公式の Patreon ページ公開へ
先週、日曜日(2019年8月18日)ようやく Volkerding 氏が自身の手で正式な Patreon ページを設置した旨の発表がなされた。
今日、 Linux ディストリビューションは無数に存在する。しかし私は Slackware がまだ Linux 業界において重要な役割を担っていることを信じているため、このプロジェクト専念してきた。
Slackware はその仕組みを変えることはない。なので他の変わり続けるシステムよりも Slackware を学んだことは長く活用することができる。
あなた方の支援によって私はこのプロジェクトを継続することが出来ている。大変感謝している。
Volkerding氏は、 15.0 ベータのリリースを迎えるまでこのPatrionページの発表を控える予定だったが、見つかってしまったため、正式に発表することにしたらしい。
彼のモティベーションはまだまだ萎えていないようで、今後も積極的に活動を続けていくようだ。
おわり
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