本記事ではポータブル充電器などで有名な Anker 社が発売しているヘッドホン「Soundcore Life Q20」をご紹介。
6,000円を切るお値段でアクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載している Bluetoothヘッドホンだ。
すでに去年「Soundcore Life Q30」というほとんどの欠点らしい欠点を解消した後継モデルが発売されている。つまり型落ちモデルだがそのおかげでこのQ20は今かなりお安くなっている。
パッケージと外観
内容物はこちら
- 説明書
- 安全マニュアル
- グリーティングカード
- AUX接続ケーブル
- MicroUSB-Bケーブル
- トラベルポーチ
- 本体
説明書は直感的にわかるものになっている。他のメーカーも見習ってほしいくらいわかりやすい。
イヤカフ内に左右の表記をしてある。
ヘッドホンのコントロール系は最近タッチパネル式が増えてきたが、こちらは物理ボタンだ。触った感じですぐに押したいボタンがわかるため個人的には物理ボタンが好みなので高評価。
充電用の端子は MicroUSB タイプBである……。
AUX対応のため電源が入ってなくても使える。
このヘッドホンは2色用意されており、明るい色がお好みならばシルバーもある
ブラックにメタリックな加工がなされており見た目は安っぽくない。
しかし触ったらつるつるのプラスチックである。ロゴは控えめなので外出先でも悪目立ちすることはないだろう。
仕様
再生時間 | 約40時間(NCモードON)/ 約60時間(NCモードOFF) |
充電時間 | 約3時間 |
充電端子 | MicroUSBタイプB |
重量 | 約260g |
Bluetooth規格 | バージョン5 |
Bluetoothプロファイル | AVRCP※1 / A2DP※2 / HFP※3 / HSP※4 |
対応コーディック | AAC /SBC |
※1 AVRCP(Audio Video Remote Control Profile)は動画や音楽の再生/停止/スキップなどをリモコン操作できる機能。
※2 A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)はBluetoothの音声データに関する仕様。これに対応していると高品位なステレオ音声を伝送できることができる。
※3 HFP(Hands Free Profile)は名前の通りハンズフリー機能に対応していることを表している。
※4 HSP(Head Set Profile)はヘッドセットとしての機能を有していることが示している。
インピーダンスはたったの16ohmsなので付属の3.5mmヘッドホンジャックで接続すればBluetooth対応でなくても世のほとんどの再生機器で使用できる。
パッドが厚く装着感は良い
Q20の重量は260gと無線ヘッドホンでは割と軽量な部類に入る。
装着感は非常に良い。肉厚な形状記憶イヤーカップを装備しており筐体のバネが比較的強いため密閉感が強い。筆者はメガネをしているがメガネの耳掛け部分があたっているところは痛くならなかったくらいだ。
しかしバッテリ搭載のBluetoothヘッドホンということもあり多少重量感があるため、長時間つけていると私の頭の形状だと頭頂部が多少負担がかかっている感じはする。注文をつけるとしたらもう少しだけヘッドバンドに厚みがほしかった。
低音重視でパンチはあるが立体感がない音質
音質はドンシャリサウンドだがそこまでシャリに不快感はない。低音がかなり強調されたサウンドとなっている。しかし中低音もしっかり聞こえる調整がなされている。このためボーカルを台無しになるということはなくしっかりと聞き分けができる。迫力がある楽しいサウンドがするヘッドホンだ。
「Bass up」という機能を使うと更に低音が増幅される。Anker社 独自のアルゴリズムでアクティブに動作する機能らしく、単純なエフェクトではないようだ。実際使ってみると曲によって効き具合に違いがあるのがわかる。しかしもともと低音強めなヘッドホンなのであまり必要とは思えない機能だ。たまにバランスが崩れてしまい中高音が篭もったような音になってしまうので聴き心地は良いとは言えない。
このヘッドホンの音の欠点を挙げるならば解像度が低く奥行きがあまり感じられないことだ。情報量が多い音楽を聞くと楽器の聞き分けができないときがあり、がっかりしてしまうかもしれない。しかしこの値段のヘッドホンにそれを求めるのは酷な話。
コーディックに関してはaptXなどに対応していないため音ゲーマーは遅延を感じることがあるかもしれないが映画を見るだけならば人物のリップシンクや遅延は全く気にならなかった。
そこそこのノイズキャンセリング性能
まずパッドが肉厚の形状記憶素材のため側頭部に密着してくれる。密閉型のためこれだけで外界の音を結構遮音してくれる。
さらにノイズキャンセリング機能も備えており、ヘッドホンの中と外両方にマイクを装備している。Ankerによれば90%の雑音を相殺するとのことだ。
1万円未満でアクティブノイズキャンセリングを搭載してることがこの商品最大のウリと言っても良い。しかし過剰な期待は禁物だ。このノイズキャンセリングは低周波のノイズを無効化してくれるが、人の声など高音域のものは無効化してくれない。さらに無音時にサーッという感じのホワイトノイズが聞こえることがある。
しかしPCからでるファンのノイズや空気清浄機などから出る低いノイズはしっかりカットしてくれる。体感では70%くらいのカット率だ。この価格で素晴らしい出来と言える。試しにファミレスで使ってみたが食器が重なる大きな音や子供大きな泣き声以外の音はほぼ聞こえなくなるくらいの効果があった。
今度は航空機や電車内でどの程度騒音を相殺してくれるのか試してみたい。
大容量バッテリ
フル充電状態からノイズキャンセリングありで最大40時間、ノイズキャンセリングなしで最大60時間使えるとのことだ。ほとんどのヘッドホンはNCありで30〜35時間の連続再生のものが多いのでさすがAnkerと言ったところだ。
使用時間を正確には計っていないが私の使い方だと充電は一週間に一度くらいで十分だ。
残念なところ
- 今どきMicroUSB
最新のSoundcore Life Q30はUSB Type-Cだが、こちらはまだMicroUSB-Bを使っている。昨今のデバイスのほとんどはType-Cなので外出先で充電したい場合はこれのためだけにMicroUSBケーブルを持っていかなければならない。 - Soundcoreアプリに非対応
このアプリはイコライザや自分の聴力に合ったサウンドプロファイルを作成してくれるHearIDを備えた優秀なアプリだが、この機種は非対応。 - マルチポイント対応なし
不満点を挙げるならばこれくらいだ。いずれも「Soundcore Life Q30」で改善されている。しかしQ20よりも+3000円もお高いのでソニー(WH-CH710N)など他の音作りが良いメーカー製のBluetoothヘッドホンの射程圏内に入ってしまう。この価格帯ならば目を瞑れる程度の欠点だ。
誰が買うべきか
そこそこのノイズキャンセリング機能を備えた安いヘッドホンをお探しならば買いだ。6,000円以下でANC搭載でこの品質のヘッドホンを探すのは中々難しい。
実は筆者はQ20を去年の12月のAmazonセールで4000円前後で購入することができた。なのでどうしても迷っているならセールを狙ってみるのも良いかもしれない。
さらに連続再生時間と装着感を重要視しているならば最適なヘッドホンと言える。
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