日本では2023年8月に発売となった12.7インチ型の Android タブレット「Lenovo Tab P12」がコスパが良くかなり高画質と聞き及んたので Lenovo 様から貸出していただきました。
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外観「オシャレなツートンカラー」
はじめに手に持った印象は「デカい!薄い!」。8インチのタブレットまでしか触ったことがなかったのでこの13インチ近い大きさのディスプレイは衝撃的でした。
普段14インチのディスプレイのノートPCを使っているのでディスプレイをそのまま外して歩いているようなものです。持ち運ぶのに大きすぎる部類にギリギリ入らない感じです。
背面はメタリックなツートンカラーでストームグレーと公式で記載されています。おとなしめなデザインですがワンポイントになっていてオシャレです。
上部中央にある楕円形の印はスタイラスペンが張り付く磁石が埋め込まれている位置です。
筐体はすべてアルミニウム製なので軽量な割にチープ感はなく、ひんやりとしていて質感は良いです。剛性は高いとされていますが、同様にアルミボディの iPad も簡単に変形します。貸与機だったので試す度胸はありませんでしたが、うっかり尻に敷いてしまうとおそらくグニャグニャに曲がると思います。当たり前ですが乱暴に扱わないようにした方が良いでしょう。
厚さは 6.9mm と 先代 iPad Mini 並に薄いです。
シンプルなデザインなだけにカメラの出っ張りが多少目立ちます。個人的には悪しきトレンドだと思っていますがほかのメーカーもみな出っ張らせているので仕方ないのでしょう。長持ちさせるためにカバーは必須です。
画面「大型で明るく精細かつ鮮やかなディスプレイ」
Lenovo Tab P12 は、 12.7インチ (2944 x 1840ドット) の 3Kディスプレイを搭載しています。このディスプレイとスピーカーが本機の最大の特徴と言っても良いです。
一瞬これは AMOLED パネルか? と思うほど色鮮やかでしたがどうやら生産性が高い LTPS(低温ポリシリコン、Low-Temperature Poly-silicon)LCD 、まあつまりは液晶パネルが使われているようです。色の表現がはっきりしていて昨今の液晶技術の進歩に驚きました。
このディスプレイは公証で 400 nit(輝度) と記載されていますがそれ以上に明るく感じます。さすがに 500 nit も出る iPad には敵いませんが Android タブレットとしては結構なものです。
画素密度は 273ppi と iPad (264ppi) よりも高いです。にじみなどなくきれいなLCDです。
このように燦燦と日光が降り注いでいる野外でも画面を見ることができます。室内では目が潰れそうなほど明るく感じたディスプレイですが室外だと少し物足りなく感じました。まあこんなデカいタブレットを室外で使う奇特な方は少ないでしょう。
OS「ほぼストックAndroidなミニマリスティックUI」
OSは過剰カスタマイズが行われていないので使いやすいです。
マルチタスキングに便利な機能が多数搭載されています。
「One Vision」という画面管理機能が内蔵されており、アプリケーション別に縦横を切り替えたり、ウィンドウとしてアプリを起動して自由に配置できたり、分割画面の設定を行えます。
最大4分割することができます。
資料を見ながら文章編集や動画視聴しながら検索などして快適でした。ただ画面分割が YouTube が非対応だったのがかなりガッカリでした。
性能「ゲーミング・パフォーマンスはいまいち」
まずスペック表を見ていきましょう。
OS | Android™ 13 |
---|---|
プロセッサー | MediaTek Dimensity 7050 プロセッサー (2.60GHz x2 2GHz x6 ) |
メインメモリー | 8 GB LPDDR4X (オンボード) |
フラッシュメモリー | 256GB(ZACH0078JP) / 128GB(ZACH0002JP)UFS 2.2 |
ディスプレイ | 12.7型 3K液晶 (2944 x 1840 273ppi) マルチタッチ 400 nit |
本体寸法 (W×D×H)mm | 約 293.4 x 190.8 x 6.9mm |
本体重量 | 約 615g |
バッテリー 使用時間 | 約 10時間 |
Lenovo Tab P12 は「MediaTek Dimensity 7050」というプロセッサーを搭載しています。
TSMC の 6nm クラス・プロセスで製造された比較的新しいオクタ(8)コアチップです。2つのハイパフォーマンス・コア(Cortex-A78 2600MHz)と6つの高効率ミッドレンジ・コア(Cortex-A55 2000MHz)で構成されています。
「Snapdragon 778G」と同等程度性能で Oppo Reno 11 や Realme 12 などのミドルクラスのスマートフォンに搭載されています。
このプロセッサは最大対応解像度が 2520 x 1080 でフレッシュレートは 120Hz 対応です。Tab P12 の画面は 2944 x 1840 でこのチップの限界を超えたディスプレイが搭載されています。このため 60Hz に制限せざるえなかったのでしょう。チップセットは 4K映像を 30FPS でエンコード・プレイバックできますがやはりディスプレイの解像度が高いので若干のフレーム落ちが見られました。
ベンチマーク結果
こちら GeekBench のベンチマーク結果です。
最高画質でゲームをプレイするのは難しい
まず原神と崩壊スターレイルをテストプレイしてみました。原神はリリースされてからもう4年も経っていますがこのゲームを快適にプレイできるかがゲーミングデバイスとしての一つの指標と言えるでしょう。
結果から言えばフレームレートは 50 fps くらいは出力され、概ねスムーズに動きましたが高負荷がかかる演出や乱戦時にはスタッタリングが多少気になりました。それとなぜか自動的に解像度が低く設定されてしまうらしく画質が若干ガビってしまいました。原神でも同様の現象がおきました。
ヘブンバーンズレッドは快適に動作しました。
ブルーアーカイブも正しく動作していましたが解像度が正しく設定されていないようでスターレイルのときのようにガビっていました。
多くのゲームは遊べますが最高画質で快適にプレイすることはできないと思います。プロセッサーの性能がミドルクラスより若干上の性能ですがディスプレイ解像度が非常に高いため、グラフィックス性能が犠牲になっていることを頭に入れておいた方が良いでしょう。
画面のリフレッシュレートが 60Hz であることに不満を漏らしているレビューを見かけましたが、おそらくこのチップセットでは多くのゲームでフレームレートが 60FPS を超えるほどのパフォーマンスを発揮できないので必要ないと思います。
音声「Dolby Atoms対応のクワッドスピーカー」
「Lenovo Tab P12」には JBL と共同開発したクアッドスピーカーが左右側面四方に搭載されています。また立体音響技術「Dolby Atmos」に対応しているためこれに対応した映画などで立体感のあるサウンドを楽しめます。
筐体の作りがしっかりしているので大音量を出してもビリビリと部品が振動するような不快な音はしません。
カメラ「ミドルクラススマホ並みの画質」
フロントは 13MP(メガピクセル)と自撮り・Webカメラとしてはかなり高画質なものを搭載しているのでビデオ通話だけでなく配信活動にも十二分に使えるほどキレイな絵や動画が撮れます。
リアカメラはフラッシュ機能付きの 8MP(f2.2)と控えめな性能に聞こえるかもしれませんがこちらも予想以上に高画質な映像が撮れます。
バッテリー「大容量だが稼働時間は普通」
「Lenovo Tab P12」は 10,200mAh の大容量バッテリーを搭載しています。日本市場に投入されている大手企業の12インチ以上の Android タブレットは他にNECかサムスンの「Galaxy Tab S9+」しかなく、この機体も 10,090 mAh とほぼ同程度のバッテリーを載せています。
しかし高解像度液晶ディスプレイの電力消費が多いのか連続稼働時間は期待するほど良くはありませんでした。公称10時間ですが明るさ80%で動画を見るなら8時間、高負荷な作業をしながらだと6時間といったところです。
ポート
Wi-Fiモデル のみなのでデータ通信を行うための SIM カードスロットはありませんが MicroSD カードを装備できるためたくさんのダウンロードコンテンツを持ち運べます。旅行のお供にもなります。
右側面には指紋認証機能を備えた電源ボタンと MicroSD カードスロット。
左側面にはUSB-C 2.0ポートがあります。
上面にはステレオマイクと電源ボタン
下面にはキーボードに接続するためのスマートコネクタとガイド穴。
値段「12インチ以上のタブレットとしては破格」
Lenovo Tab P12 は国内に法人を置くメーカー製かつ 12インチ以上のディスプレイを搭載した Android タブレットで最も安いです。2024年9月現在、税込み送料無料 ¥44,880 で直販されています。
まあ他にも名前を聞いたこともないようなブランドの格安 Android タブレットが多く売られていますが、OSの最適化がお粗末だったりディスプレイの解像度が低かったり、プロセッサの性能が極端に低かったり、バッテリー容量が極小だったりと問題も多いです。
サムスンも12インチ型タブレットを出していますが10万円は優に超えています。そんな中で本機は 5万円以下で唯一安心して購入できる大型 Android タブレットと言っても過言ではありません。
不満点
使っていて不満点は画面分割機能が YouTube に非対応だったこととゲーミングパフォーマンスくらいのものです。
公式HPでは「Lenovo Tab Pen Plus」が本機のアクセサリとしてリストされていたため、対応タッチペンだと思いますがどれが本機に対応しているのか探すは一苦労でした。スペックを見る限り、筆圧感知など優れていそうなのでタッチペンを試せなかったのは残念でした。
まとめ
大画面かつダイナミックなサウンドを提供してくれる高品質なタブレットなのでメディア再生機としてかなり優秀です。またミドルクラスのARMプロセッサを積んでいるので動画編集などの重い処理をやらせなければ快適に使用することができると思います。画面が大きいので画面分割を行っての作業など快適です。
あとご家族でコンテンツを楽しみたいという方には最高のタブレットだと思います。
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おわり
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