「Archer C6」はTP-Link社のミドルレンジモデル無線LANルーターだ。 4,000円以下で購入できることもありAmazon JPで星4つの評価、レビュー件数700以上を獲得している。
当方は条件として、MU-MIMO 対応、全ポートギガビット通信、5,000円以下という条件でルーターを探していたらこの商品に行き着いた。
今までNECやBuffaloなど国内メーカー製の無線LANルーターしか買ったことがなく少々不安を覚えたが世界シェアでトップを獲っていることを知り、試しに購入。近年国内においても高いマーケットシェアを誇っている。日本法人が存在することからある程度のサポートも期待できそうだ。
概要
このルーターは厳密には「TP-Link Archer C6 V2」であり、初代から様々な改良が行われている。4つの外部アンテナと1つの内部アンテナを備え、 ビームフォーミングやMU-MIMOという最新のテクノロジーを積んでいる。アンテナの詳しい利得(dBi)は公表されていないが巨大だ。
このルーターの最大の強みはコスパと言って良い。市販されているAC1200規格(300Mbps + 866Mbps)、MU-MIMOと全ポート・ギガビット・イーサネットの無線LANルーターの中ではおそらく最も安い商品だろう。
この価格帯の国内メーカーの商品だとどれか片手落ちだったりすることが多い。なによりもこのでかいアンテナが魅力だ。
スペック(仕様)
ハードウェア情報
ポート | 4*10/100/1000Mbps LANポート, 1*10/100/1000Mbps WAN(Internet)ポート |
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ボタン | リセット, 電源On/Off , WPS/Wi-Fi On/Off |
電源 | 12V/1A |
寸法(幅 X 奥行き X 高さ) | 230 × 144 × 35 mm |
アンテナ | 可動式外部アンテナ4、内蔵アンテナ1 |
ワイヤレス情報
ワイヤレス規格 | IEEE 802.11ac/n/a 5GHz, IEEE 802.11b/g/n 2.4GHz |
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周波数範囲 | 2.4GHz 5GHz W52 |
信号レート | 5GHz: 最大 867Mbps 2.4GHz:最大 300Mbps |
受信感度 | 5GHz: 11a 6Mbps:-93dBm;11a 54Mbps:-78dBm; 11ac HT20 mcs8:69dBm;11ac HT40 mcs9:-65dBm; 11ac HT80 mcs9:-62dBm; 2.4GHz: 11g 54Mbps:-78dBm; 11n HT20 mcs7:-74dBm; 11n HT40 mcs7:-71dbm; |
発信パワー | CE EIRP: <20dBm(2.4GHz); <23dBm(5GHz) |
ワイヤレスセキュリティ | 64/128-bit WEP,WPA / WPA2,WPA-PSK/ WPA2-PSKによる暗号化方式 |
ファームウェア情報
WAN タイプ | 動的IP(DHCP), 静的IP, PPPoE, PPTP (Dual Access), L2TP (Dual Access), BigPond |
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管理機能 | アクセス制限, ローカル管理, リモート管理 |
DHCP | サーバー, DHCPクライアントリスト, IPアドレス予約 |
ポート伝送 | 仮想サーバー, ポートトリガー, UPnP, DMZ |
動的DNS(DDNS) | DynDns, NO-IP |
アクセスコントロール | ペアレンタルコントロール, ローカル管理, ホストリスト, ホワイトリスト, ブラックリスト |
ファイアウォール セキュリティ | DoSプロテクション, SPIファイアウォール, IP and MAC Address Binding |
プロトコル | IPv4, IPv6 |
ゲストネットワーク | 2.4GHzと5GHz のゲストネットワーク |
VPNサーバー | OpenVPN,PPTP VPN |
特別なソフトウェアをインストールすることなく設定をブラウザから行える。TP-Linkのルーターは入門者にとってもかなり扱いやすい設定画面だ。
さらに「TP-Link Tether」というアプリがAndroidとiOS両方に向けて配信されている。このアプリを使えばスマートフォンでTP-Link製のルーターを手軽に設定変更やモニタリングを行える。
外観
本体表面はグロス加工がしてあるような面白いパターンが施されているのでパッと見安っぽく見えないがものすごく傷が付きやすく、またついた傷が目立つので置き場所を決めてからなるべく移動させないほうが良いだろう。
裏側に見える滑り止めのような突起は実はただのプラスチック。なので押したらつるつると滑ってしまう。間違って手が触れないような場所に置いておいた方が良さそうだ。一応壁掛け用の穴は2つある。
USB ポートがないことが残念な点と言えるがこの価格帯の無線LANルーターに求めるのは酷だろう。
アンテナは取り外しができないため、アンテナのアップグレードは不可。
MU-MIMOによる高速通信
Archer C6のSoCは「Qualcomm Atheros QCA9563」を搭載している。1コア1スレッド、775MHzというかなり控えめな性能だ。おそらくこの商品の中で一番コストを抑えたケチったパーツだろう。このプロセッサは3〜4人の同時接続とデバイス2台の高速通信を想定した設計だ。接続台数が増えるにしたがって不安定化する恐れがある。
MU-MIMOは 2 x 2 の制限があるため、超高速通信は同時に2台に限られる。筆者のように一戸建て木造2階建築でスマートフォン3台に有線接続のパソコンを1台だけつなげているだけの環境だと全く問題ない。
初期状態だとMU-MIMOは無効になっているのでコントロールパネルから有効化しなければならない。
パッケージには15台の接続に耐えうると乗っているが、SoCの性能を考慮すると高速通信する機器の接続が増えていくに従い、応答速度の低下がおきるかもしれない。
しかし通信速度は申し分ない。他のAC1200規格の機器と同じように理論値で1167Mbpsを出せるポテンシャルがある。実際、以前使っていたMU-MIMO非対応無線LANルーターに比べ5倍以上の速度が出ている
セキュリティ オプションも充実
一番驚いたのがセキュリティ設定のなかなかな充実っぷりだ。商用利用も想定していると思われる機能もある。
保護者モードやゲストモードが用意されている。任意のデバイスに特定のキーワードを含むウェブサイトへのアクセスをブロックしたり利用時間を制限することができる。
さらにゲストを主回線から分離することができ、帯域制限もできる。このため主回線の速度低下を抑えることができる。
Archer C6はVPN接続も手厚くサポートしている。自宅から会社への接続も簡単に行える。OpenVPNの証明書生成もワンクリック。
誰におすすめか
Archer C6 V2は小〜中規模のアパートを想定してつくられている。マンションだと4LDK、戸建てだと3階、15台と公式には書いてある。体感だともっと同時利用可能なデバイスは少ないように感じるが、核家族〜2世代木造住宅程度ならばあまり速度低下もなく快適に使えるのではないかと考える。
このように小規模ではあるが最新の技術を用いた高速通信を提供できる機器だ。通信速度にこだわらなければビジネスユースでもカフェや小規模なオフィスならば対応できると思われる。
コメント
C6? A6?
途中から変わってますが
どちらの記事なのでしょうか?
コメントとご指摘ありがとうございます!
本記事は「Archer C6 2V」についての記事です。
大変ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。
記事の表記を修正させていただきました。