SSD(ソリッドステートドライブ)の選び方

SSDを買うときの基準など。

SSD は容量が大きいほど高性能


SSD は回転する磁気ディスクを用いるハードディスクと違い、 NAND フラッシュメモリを使う。 SSD はこの NAND フラッシュをいくつも取り付けられており、容量が増えるほどチップの数が多く搭載されている。下記の図のようにメーカーはこの半導体チップたちをコントローラを介して並列処理させるように作っている。このため同じメーカーの同じモデルでも容量が大きいほうが読み書きが早くなる

後述する 疑似SLCキャッシュ技術 により、小さいファイルを読み書きする、ランダム読み書き性能はコントローラ依存となるため、一般的な使い方ならば違いを実感できない。しかし大容量のファイルを書き込む場合に差がついてくる。

また容量が大きいほど書き込みが分散するので NAND の消耗が減り、ドライブの耐久性も高くなる。

 

記憶素子


SLC (Single Level Cell)

1つの記憶素子に1ビットのデータを格納。耐久性が非常に高いが価格も非常に高く、PC ショップではまずお目にかかれない。メカニズム事態は非常に単純でセルの ON か OFF で判断するので堅牢。後述する TLC よりも 10倍の耐久性があるとも言われている。

MLC (Multi Level Cell)

1つの記憶素子に2ビットのデータを格納する。こちらも一般向けに販売されている TLC よりも耐久性、価格ともに高い。理論上、 SLC の方が MLC に比べ信頼性が高いとされていたが、Google が公開した現実世界のデータによるとさほど違いがないとのこと。

TLC (Triple Level Cell)

1つの記憶素子に3ビットのデータを格納する。一般向け商品、安価だが耐久性はそれなり。最近は3次元構造の 3D NAND  が主流になっており、従来の平面に素子を並べただけのものと違い、縦方向に並べることで密度が向上、大容量化している。現在では64層の3D NANDが主流になっている。

ZDNet (SSD reliability int the real world: Google’s experience)

事業者以外はほぼ TLC しか選択肢がないと思う。 上記のデータが示すように MLC だからといって払ったお金に見合った性能を得られるのか疑問だ。

搭載する NAND の一部を擬似的に SLC でアクセスし、キャッシュ領域を確保する(疑似)SLCキャッシュ技術の登場やコントローラの高性能化により、一般的な用途ならば TLC 採用の SSD は MLC と比べても遜色ない性能を発揮できるようになった。

このキャッシュ容量はドライブによって様々だが、 10GB〜50GB とも言われており、このキャッシュが効いている範囲ならば TLC の書き込みの遅さがカバーできる。

一般的な用途なら記憶素子についてはほぼ気にする必要はなくなってきた。

 

DRAM の有無


非常に安価な SSD には DRAM(キャッシュメモリ)が搭載されてないことがある。この RAM がパフォーマンスにかなり影響を与える。 RAM にはどのデータが NAND のどこに格納されているのかを記したインデックスのような利用頻度の高い情報を保持する。

このため DRAM がない場合、特にランダムリードライトのような小さいデータの頻繁なやり取りをする際の反応速度に影響が出る。その SSD に OS がインストールされている場合、目に見えて大きなパフォーマンスの低下がみられ、プチフリーズなどが起きる可能性がある。滅多に非搭載モデルはないが、念のために確認しておこう。

 

一番重要な数値は?


よく SSD のパッケージに最大転送速度が表記されているが、頻繁に動画を保存したり大きなデータの塊をコピーや移動するために使う場合でもなければそれはさほど重要な数値ではない。

OS をインストール、ネットサーフィン、ウィルススキャンやオフィスなど一般的な使い方をするならば、4K 性能が一番重要だ。この数値はドライブに散らばった小さなデータをやり取りをする速度を示したものだ。この数値は IOPS(Input Outs Per Second) とも表記されることがある。読み書き要求を一秒にどれだけ捌けるか示した数値。

CrystalDiskMark ベンチマーク結果 SAMSUNG MZ7PD128HCFV-000H1 128GB

メーカーが公表していないことが多く、あったとしてもHPまで行ってくまなく探さなくてはいけない。ほとんどの場合ユーザが独自にやっているベンチマークに頼ることになる。ユーザレビューを参考にしよう。

何回かベンチマークをすればわかるが、毎回結構違った数値を返してくる。これは上記でも述べたように SLC キャッシュ技術によるものだ。このキャッシュを吐き出すタイミングで数値が変動するのだと思われる。数 10GB のベンチマークだろうとキャッシュ内に容易に収まる。このせいで結果のばらつきが生じるのだと考えられる。

このため、ユーザレビューなどはあまり当てにならない可能性が高い。海外のテックニュースを専門に扱っているサイトなどで大量のテストを行った上で出しているデータを見に行く方が良いだろう。

バルク品には注意


よくパッケージングされてなくて簡易包装やプチプチ袋だけで売られてることがあるがこれには注意が必要だ。これらの商品は本来データセンターなどに納入する予定のものがなんらかの理由で市場に放流されたものだ。そういったところでは必ずしも速度を重要視しておらず、ランダムアクセスがいまいちだったりする。

Micron 社製の 2TB SSD バルク品

例えばこの Micron 製の 2TB  SSD だが、他の 2TB SSD が軒並み50,000円を超えるというのに35,000円と激安だ。

だが下記の動画を見ればわかるとおり、性能はかなり微妙。データ保存用の外付けドライブにでも使ったほうがよさそうだ。

Micron バルクは 2TB にも関わらず、 Crucial MX500 や Samsung EVO 860 の 500GB に負けてしまっている。

 

オリジナルブランド品にも注意


今年(2018年)ドスパラのオリジナルブランドSSD「Z1」に搭載されている NAND チップがリマーク品ではないかとネット上に話題になった。

チップには Micron と刻印されているように見えるのだが、削ってみるとみるとコーティングされており、 出てきた検品コードを検索すると SpecTek 製のものだと判明。

SpecTek という企業は Micron のチップを検品を担っていると同時に規格落ちしたゴミチップを市場に売りさばく子会社らしい。普通ならこのゴミチップに SpecTek (デカイSマーク)の刻印をして売るらしいが、わざわざコーティングされた上に Micron 印が刻まれていたわけだ。思った以上多くのゴミSSDが意図的に売られている可能性が高い。

ドスパラも騙された側かもしれないがPCメーカーのオリジナルブランドは安い意外にセールス・ポイントがなかなかないし、有名メーカーよりも安くなければ消費者も買わないだろう。なのでどうしても格安の業者から仕入れるしかなくなってしまうのだろう。その結果、こういう検品に落ちたチップを掴まされてしまう可能性が高いと思われる。

信頼できるメーカーのもの意外は手を出さない方が良いかもしれない。

 

最後に


容量が同じで Crucial 、Intel、SanDisk、 Samsung などの有名なメーカー製のドライブならば、安い方を買ってしまってもガッカリすることはないと思う。

個人的に推しているのが Samsung 製の SSD だ。耐久性、読み書き性能共に高いのもあるが、付属ソフトの Samsung Data Migration も非常に優秀で使っていて失敗したことがない。 Acronis も良いソフトだがバージョンによってたまに正しく移植できなかったことがあった。

Samsung 製のドライブは多少は高いが、このクローニングソフトは使い方も簡単で初めてドライブを移行する人にとっても良いものだと思う。



 

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