2018年9月5日
NVIDIAのテクニカルマーケティング・ディレクターの トム・ピーターソン氏がYouTubeのポッドキャストにて行ったQ&Aが興味深い内容であった。
ポッドキャスト内ではピーターソン氏は、今回 Nvidia が発売する Geforce RTX 2000シリーズ の最大の特徴はTuringアーキテクチャであると言い、その特性についても語った。また搭載される改良されたTensorコアやRT(レイ・トレーシング) コアについても説明。Turingアーキテクチャはプロフェッショナル向けのTitan Vクラスのグラボにはすでに搭載されているが、一般消費者に提供されるのはこれがはじめてだ。
Pascalアーキテクチャのグラボとの比較の議論に入ったとき、ピーターソン氏はTuringは レイ・トレーシング対応じゃないゲームではPascal( GTX 1080など)に比べ、 35〜45%の性能向上していると漏らした。
この性能向上はCUDAコア数の増加と改良から来ているものらしい。浮動小数点数と整数を同時に操ることができるようにもなっている。
またRTX 2080はGTX 1080 Tiを上回る性能を出せるのかという質問に対して、上回ることもあるだろうがデータが手元にないと言葉を濁した。自身のなさの現れだろう。
追記:2018/09/20 次々とベンチマーク結果が出始めてこの発言の事実であることが明らかになってきた。
Initial NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti Linux Benchmarks
DLSSについて
ピーターソン氏はDLSS(ディープラーニング・スーパーサンプリング)についてゲーム開発者と Nvidia は密接に連携しなければ実現できないことを述べた。 開発者はゲームのサンプルを Nvidia に送り DGX SATURNV スーパーコンピュータで Tensor コアで直接動かせる DLSS アルゴリズム・データを抽出する流れだ。
この機能を利用するには各ゲーム独自の DDLS データが必要で使い回すことはできない。なので、DLSS テクノロジーを利用できるのは大きなゲームスタジオくらいしかないだろう。もちろん個人でもアルゴリズムを作ろうと思えばできるが時間がかかりすぎるらしい。
一般ゲーマーが得られる恩恵
RTX 2080がGTX 1080 Tiとどっこいどっこいの性能になるかもしれないというのは予約してる人にとってはちょっと衝撃なんではなかろうか。
現行のGTX 1080 Tiで十分すぎる性能の上、値段がおおよそ2倍なのを考えればむしろマイナスだ。レイ・トレーシングを使えるゲームは非常に限られているし、今後のスタンダードになるかどうかもわからない。
GeForce 2000シリーズ リリース時のCEOのプレゼンを見ればわかるが、ゲームでいくら性能向上するかなどFPSはどれくらい多くなるかとか一切語っておらず、1080との比較すらしていない。完全にデベロッパー向けの商品であることがわかる。
Rise of the Tomb Raiderのデモも行っていたがレイトレーシングを有効にした状態だとかなりフレームレートが落ちるようだ。まだ実験段階の機能なのは明らかであり、有効無効にした状態で視覚的にそこまで違いがあるようには見えなかった。
にもかかわらず、海外ではファウンダリーズ エディションの予約は好調なようでおよそ15〜20万近くするものをよくポンと買える金があるものだなと感心するばかりだ。当方としては国内外のレビューアーがベンチするまで待ったほうが良いと思う。
1080 Tiは早くも値崩れしだしているし持っていないならばこっちを買ったほうが得だろう。
おわり
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