Windows 7を使っている人はLinuxに乗り換えるべきか否か

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Windows 7 のサポートが終了しました。

インターネットに接続しない機器でしたら、そのまま Windows 7 を使い続けるという選択肢もあります。しかし今後どんな脆弱性をついた攻撃が登場するのか予測がつきません。そしてその穴は永久に塞がれることはありません。

また、Windows 10 には音声データやPCの使用状況、位置情報など大量のユーザ・データを個人が特定できないよう”匿名”にとは言われていますが、マイクロソフトに勝手に送信する機能が組み込まれています。

このことから Windows 10 自体をスパイウェアと指摘する人もいます。そこで代替OSを探すという動きが少ないですがちらほら見かけます。このことは GNU の代表である、リチャード・ストールマン氏のドキュメントが詳しく解説しています。

マイクロソフトのソフトウェアはマルウェアだ - GNUプロジェクト - フリーソフトウェアファウンデーション

だからと言って、安直に Linux (リナックス)を PC に上書きインストールすると間違いなく後悔します。Linux は Window OS の完全な代替にはなりえないことをまず指摘しておかねばなりません。同じタスクをこなすのにもまったく違うワークフローになることもあります。これらを覚えることは PC 自体にあまり関心がない人には苦痛な作業です。

果たして今 Window 7 を使っている方が Linux に乗り換えるべきか。どんな人が Linux に乗り換えるべきか、ということを考察しました。

上記のディシジョン・マップを作成いたしましたので、これを順を追って説明いたします。

OSがアップグレード可能かどうか

Windows 7 が使えるPC環境だとほどんどの PC は Windows 10 にアップグレード可能です。また Windows 10 にアップグレードしたら以前よりも快適になる場合もあります。

Windows 10 は Modern UI (旧メトロUI)というシンプルなデザインを採用したことにより、動作が高速化しています。しかし古いハードウェアへのサポートが徐々に打ち切られているので、逆に動作が遅くなってしまったり、動かないハードウェアも出てきています。

影響が大きいところだと、 Intel Core i シリーズ第 2 世代以下の CPU は Windows 10 のサポート対象外となっています。

このことから2011年以前に発売された CPU では適切に動作しない可能性があります。現在動いていたとしても動かなくなることもありえるのです。

Windows 10 のシステム要件としては、メモリ容量(DRAM)は 64bit 版だと最低限 2GB 必要となります。アップデートするために必要なパッケージをダウンロードし、インストールするには 10GB 以上の空き容量が必要です。

Windows メディアセンターやデスクトップガジェットといった機能が廃止されるので詳しい機能の追加・廃止はこちらのマイクロソフト公式ホームページをご覧ください。

Windows 10 のシステム要件と仕様を確認する | Microsoft
Windows 10 のシステム要件、仕様、その他の重要な情報を入手します。削除される機能、エディション別のアップグレード、サポートする言語についても理解を深めます。

一方、Linux 導入のハードウェア構成はかなりハードルが低いです。

ディストリビューション(Linuxの統合インストール・パッケージ)にもよりますが、 Puppy Linux という軽量ディストリビューションだと CPU は Pentium 4 1GHz 、DRAM は 768MB が推奨環境となっており、多くの古い PC でも動作させることができます。

プロプライエタリ(有償)・ソフトウェア

プロプライエタリ・ソフトウェア(有償ソフトウェア)をよく使っている人は、Linux に移行するには障害が多すぎます。まずおすすめいたしません。 Windows OS 向けに開発された有償ソフトウェアには macOS 版があっても Linux 版が存在しないことがよくあることです。

Linux にも DaVinci Resolve Studio などの優秀な有償ソフトウェアが存在しますが、ほぼほぼオープンソースソフトウェア(OSS)と付き合っていくことなります。

昨今は OSS(オープンソースソフトウェア)プロジェクトの数は拡大の一途をたどっており、高性能な OSS はたくさんあります。

しかし Adobe Creative や Microsoft Office といったプロプライエタリ・ソフトウェアは相変わらずデファクト・スタンダードであり、強いです。GIMP、Inkscape、Darktable、KdenLive や LibreOffice などの強力な代替ソフトウェアもありますが、ワークフロー(使い勝手)などが少々違うため、その違いを覚えるまで生産性が大きく落ちてしまうこともあります。

こういった有償ソフトを今後も使いたい人はおそらく仕事で使っているでしようし、 Windows 10 にアップグレードするしか選択肢はないと思います。

新しいことを覚えることに抵抗がある

Linux には多くのデスクトップ環境があるため、Linux Mint などの Windows OS と似通った外観をしたディストリビューション(Linux の統合パッケージ)がいくつか存在します。

また、 Gnome や KDE などの Linux デスクトップ環境は Windows のそれよりも遥かに使いやすいというのが私の個人的感想です。

しかし、やはり若干、設定方法やアプリケーションのインストール方法が違ったりします。慣れるには時間が必要です。これは Linux の特性上仕方のないことですが、こういった小さな違いがあなたを苛つかせたり、覚えるのが嫌でしたら Windows 10 に素直にアップデートするか、新しい PC を購入することをおすすめ致します。

ターミナルは怖くない。

よく Linux に移行するハードルとしてターミナル操作、コマンド入力作業などを挙げられることがあります。しかし現在そういった手順を踏まなくても、一般的な PC の使い方でしたら GUI(グラフィカルインターフェイス)だけを用いて Linux を使うことはできます。

コマンドラインは慣れればむしろ GUI 操作よりもすばやく、正確に PC を操作することができるようになるので、必須ではありませんが覚えることをおすすめします。 Windows を使っていて、あの設定はどこのアイコンをクリックして次にどこを押せば良いのだろう、とマウスカーソルをあっちいったりこっちいったりということが何度もあると思います。こういったことを無くすことができます。

また Windows といえども複数のシステムの管理者ならば PowerShell などを使う必要がでてくるので、Windows OS を長く使ってきたパワーユーザほどコマンドラインに抵抗がないと思います。

Windows 10 のプライバシーやセキュリティに懸念がある。

この懸念を抱えている人には Linux は大変良い選択肢です。自分のプライベート・プライバシーを保護するにはうってつけのオペレーティング・システムです。

Linux はウィルスやスパイウェアに対し無敵というわけではありませんが、標的にされづらく、権限の管理が優秀であるため、そういった驚異には強いです。

オープンソースソフトウェアで構成されているので多くの企業や個人が開発に参画し、ソースコードも公開されています。 Windows OS のように情報を勝手に調査分析会社に送信するということもありません。

Linux はエンタープライズ向けの OS と見られがちな OS ですが、プライベートでこそ使って欲しい OS だと私は思います。

Linux はハードウェアのサポートが手薄

Linux の最大の弱点とも言えますが、特殊なハードウェアは動作しないことが多いです。そもそも企業側が Linux 向けドライバを提供していないことが多々あります。

また、Windows ではグラフィックボードなどで細かな設定ができるソフトウェアがありますが、Linuxではそういった GUI ツールが存在しないこともあります。

Nvidia などは設定パネルを提供していますが、 Intel や AMD はいまだに Linux 向けの設定パネルをリリースしていません。

両者ともグラフィックボード自体は Linux 上でもちゃんと動くのですが、設定を変更するには深堀する必要があるのです。

まとめ

ということで、有償ソフトウェアをつかっておらず、かつ新しいことをやっても良いという人におすすめです。プライバシーに関心がある人には特におすすめです。

不自由になってしまうこともあると思いますが、 Linux はカスタマイズ性が非常に高い OS です。自分のやりたいことに最適化すれば Windows OS よりも何倍も生産性を向上することができます。

おわり

著:三宅 英明, 著:大角 祐介
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コメント

  1. kamimura より:

    LinuxだけではなくFreeBSDもお気に入り https://www.mkamimura.com/2017/03/freebsd-os-vmware-fusion.html だから、FreeBSD(他のBSD系でも)も選択肢の一つとして取り上げて頂けると嬉しかったかもです。☺️

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