Linux では AMD と NVIDIA どっちが良いのか 2018

改稿 2018年10月3日

Radeon と GeForce 、Linux ではどっちが良いかという論争が度々起こる。今回は自分なりの感想を載せながらどちらが良いか比較しようと思う。ベンチマークなどは他の海外サイトがいくらでも載せてくれているので、そのリンクのみにとどめおこうと思う。

ゲームなど一般的な用途を想定したものだ。

安定性


安定性については使っているカーネルのバージョンによるところが大きい。

AMD は長らくゴミみたいなオープンソースドライバをリリースしてきたが、ここ最近はまともになっている。 Linux カーネル 4.15 では最新の Radeon Vega GPU などではカーネルパニックを頻繁に起こしたり、正しく動かないことが多かったが、 4.17 にアップデートしたら何事もなかったかのようにスムーズに動作しだした。Radeon は最新のドライバがカーネルにマージされるから当たり前だが、AMD のグラフィックボードは 新しいカーネルの方が相性が良い。

一方、  NVIDIA ドライバはカーネルにマージされることなく完全に分離している。なのである程度熟れたカーネルのほうが安定性が増す。 Arch Linux を使っていて適当にアップデートを繰り返していたら、 スクリーンが真っ暗になって起動しなくなる問題が年に数回は起きた。

性能


さて、 Linux 上での両者の性能だが、PHORONIX が行ったほとんどの ベンチマークで Radeon Vega 64 は GeForce GTX 1070 Ti にすら負けてしまっている。そう、1080 ではなく 1070 Ti にだ。ハードの性能だけでも Nvidia が圧倒してるのもあるが、体感としてはドライバの出来も影響してそうではある。両方使ってると OSS ドライバが必ずしも良いとは限らないと実感する。

[PHORONIX] A Fresh Look At The NVIDIA vs. Radeon Linux Performance & Perf-Per-Watt For August 2018

余談だが、NVIDIA 向けに nouveau というオープンソースドライバがある。これは有志が NVIDIA のドライバをリバース・エンジニアリングしたもので、コンポジターとの相性がなかなか良い。だがプロプライエタリドライバに比べたら性能は劇的に落ちてしまう。

Nvidia のプロプライエタリドライバは後述するある一点を除けば、非常に出来が良いのであえて OS ドライバを使う必要性は感じない。

Linux DE との親和性


Gnome や KDE などのデスクトップ環境においてどちらがよりサポートが充実しているか、というと AMD だ。 特に Wayland などのコンポジターとの相性だが、 NVIDIA が EGLStream という誰も使っていないような API にこだわっているため、ラグがひどいのである。ただ、アニメーションを切ればそれなりに快適に動く。

AMD ではこういった問題はないが、前述したように問題がないわけではない。OSS のため他のソフトウェアとの相性は良いけれど、安定性という観点ではどっこいどっこいだろう。

ハードウェアの視点から


ハードの性能を比べてみると NVIDIA の完勝。 性能はもちろんエネルギー効率でも Radeon RX や Vega シリーズは GeForce GTX シリーズの足元にも及ばない。価格でも Radeon は安いとは言えず、 Vega 64 は GTX 1080  Ti とほぼ同じ値段。ハードウェアから見ればあえて Radeon を買うメリットはほとんどない。搭載されている HBM2 メモリが高価すぎる。一般用途では過剰性能すぎるのだ。

追記:2018/09/25 Vega GPU は現在大きく値崩れしているため、価格優位性は出てきたが、エネルギー効率で見たらやはり、大きく劣っている。

 

AMD は現在エンタープライズ向け商品に集中している。一般向けの Vega シリーズよりも大幅に性能が高い Radeon Pro WX や Redeon Instinct シリーズを供給している。しかしこれらは CAD や商用向けソフトウェアに特化したチューニングがなされている。一般、ゲーミング市場がマージンが低いためかあまり重要視してるようには見えない。

結論


今現在(2018年9月)、すぐにグラボを買いたいという人は Nvidia を買ったほうが良い。デスクトップ環境で Wayland との相性でラグが発生する。これは Nvidia ドライバの仕様上避けられない。がアニメーションを切ったり、 対策を施したコンポジッターをインストールするなど、少し設定をいじれば回避できることだ。

それ以外は 大抵の Linux OS のディストリビュータ側も良くテストをしてからドライバをリリースしているので、比較的安定して使えると思う。

それと AMD だから問題が少ないというわけでもなく、前述したとおりカーネルによってはフリーズも発生する。

AMD のグラフィックボードは性能に対して高すぎるのだ。単純に供給量が少ないというのもあるが、一部の仮想通貨と非常に相性が良いことから未だに性能に見合わないほど価格が高い状態だ。

今買うならば Geforce 10シリーズだろう。

OSS愛好者はもう少し待つべき


OSS を愛しているなら AMD を買うのもありだろう。しかし、AMDは今 7nm プロセス Vega や Navi を絶賛開発中なのでこれの行方を見てから判断するのが良いと思う。すでにエンタープライズ向けには 7nm プロセスの商品を発表しているが、一般向けのグラフィックボードは年末になってしまいそうだ。今は AMD GPU にとっては時期が悪い。ゲーミング市場は完全に NVIDIA に蹂躙されてしまっている。少なくとも半年〜1年くらいは様子を見たほうが良いだろう。

ー了ー


 

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