なぜWarThunderのLinux版はゴミなのか

Linux
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2018/03/29

WarThunderバージョン 1.77 がリリースされて2週間経ったがLinux版のバグフィックスについては音沙汰もなし。相変わらずWindowsとごく一部のMetal対応macOS以外のOSではひどい状況が続いている。今頃エイプリールフールイベントの準備でてんやわんやで見向きもしていないだろう。

前回のエントリで今後のWarThunder Linux版がどうなっていくのか妄想したが、某海外掲示板で面白い投稿を見かけたので紹介。

このやり取りはGaijin CEOのAnton Yudintsevのものなので信用に足ると思う。

War Thunder 1.77がリリースされる1カ月前に投稿されたものだ。

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inWarthunder

以下引用

投稿者その1

OpenGL のポテンシャルは高い。 Doom からそれが垣間見える。あのゲームは OpenGL と Vulkan の API 両方に対応しているが、 Nvidia カードならば両者にフレームレートにさほど違いはなかった。 OpenGL 4.6 はつい半年前にリリースされたばかりだし継続的に開発されている。 Vulkan に移行せずとも OpenGL でももっと良いものが作れるはずだ。

Anton Yudintsev 氏

OpenGL は Vulkan と DirectX 12 に比べれば厚みがある API だ。あなたがどれほど API について詳しいのかわからないが、 OpenGL がク○なのは明白だ。(シェーダーとマルチスレッド処理だけでなく、ドライバもひどいものが多い)

DirectX 11 よりはマシだが、グラフィックボードベンダーは OpenGL に比べ DX11 の開発に10倍くらいは注力している。

最新の OpenGL 4.6 は悪くはないが、我々の OpenGL 版開発は主に Mac のためにしている。Mac は古い OpenGL 3.3 しか対応していないので 4.6 は使えない。すごく残念だけど。

投稿者その1

結局の所、我々 OS X ユーザは Dagor 5.0 エンジンにパフォーマンスや安定性の向上を期待していいのか?

Anton Yudintsev 氏

できる限りがんばっている。 Metal バージョンはちょっと高速化して安定性が増すかもしれない、 OpenGL 版は多分だめだ。( Apple が基本的にはサポートしてないから)

Apple が独自の API ではなく Vulkan を選ぶことを祈っているよ。6年前は基本的に皆が OpenGL を使っていたから状況が良かった。それがまさか未だにこの古いバージョンの OpenGL を維持しなければならないとはね。(ほとんどの Mac では Metal すら走らない)そして Metal を使っている Mac のユーザ数は全然増えていない。だから両方の API を同じデベロッパーがずっと開発に取り組んできた。

P.S.

Doom はとても先進的な技術を取り入れたゲームだ。ほとんどのシーンマネージメントを GPU のみで行っているから高速で API に依存していない。その反面、少なくとも DX11 対応以上のグラフィックボードを必要とするため、使えるハードウェアが非常に限られる。

この技術を取り入れた場合、 WarThunder ユーザの約30%がプレイできなくなる。

投稿者その2

Linux & Vulkan について話してもよろしいだろうか。Linux での OpenGL の性能はあまりよくない・・・たぶん Mac と同じバージョンを使うことを強いられてるから(ただの持論)

投稿者その3

私も Linux ユーザだがそんなにパフォーマンスに不満を感じない。Nvidia  760 GTX という6年前のミッドレンジボードと16GBメモリと SSD を搭載している。

まあしかし、私も Vulkan に対応するか興味がある。 Linux 版がなくならないか心配だ・・・。

AutonYudintsev

我々は Vulkan 版を長いこと開発している。ほとんどのときはちゃんと動いているが、残念なことに未だ不安定だ。だからまだリリースには至っていない。

ほとんどの問題はシェーダーに由来している・・・

引用終わり

・・・

ということで、 Linux 版がゴミなのは Mac 版のおまけだからということだ。その Mac 版も Apple の独りよがりのせいでユーザも Gaijin も苦しめられている。

開発リソースが Mac 向けの古い OpenGL のサポートに割かれてしまっている。

さらに Apple は Metal とかいう誰得な独自 API にこだわっており、 Vulkan のサポートを拒んでいる 。Vulkan を開発している Khronos グループがしびれを切らして MacOS 向けに MoltenVK ライブラリ(moltengl.com)という力技を発表した。が、 Gaijin がこれで Metal API を捨てるということもないだろう。 

Gaijin は MacOS をサポートするためにかなりの心血を注いでいる。 OpenGL 3.3 のみならず、ユーザが少ない Metal 版もサポートまでしているのだ。今更その資産を捨てるような真似はしないだろう。残念ながら。

そして Apple が仮に Vulkan を公式にサポートすることになっても  OpenGL のときみたいに中途半端なサポートで長年放置ということもありうる。

Gaijin は Vulkan API を DirectX と置き換えると言っているので、 Vulkan と Metal の両輪で開発していくことになるだろう。

Auton 氏が最後まで Linux 版について明確な言及をしなかったことに不安を覚えるが、Vulkan API での開発はかなり進んではいるようだ。

しかし、 Vulkan 版は未だ不完全でしばらくは Linux ユーザにとって冬の時代が続きそうだ。 Vulkan API 自体もまだ発展途上なのとこの半年、 Gaijin は 1.77 にかなりの力を入れてきたので、おそらくあと6ヶ月はあまり動きはないと思われる。

一度 Vulkan に移行したら、数年は Windows ユーザと同等までは行かないが API が原因のバグは減るだろう。

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