WarThunder 1.77、LinuxとMac版が劇的にパフォーマンス低下

Linux
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WarThunder が今月14日、新 Dagor 5.0 エンジンを携えてバージョン 1.77 がリリースされた。エイブラムズやレパード2K、チャレンジャーなど、装甲性能など明かされていない現役の最新車両が追加される大型アップデートとなった。

環境にもよると思うが Windows クライアントでは低設定から中設定でフレームレートが若干改善し、最高設定やムービーモードではより重厚なエフェクトを追加したためフレームレートが低下した。大多数の人は今回のアップデートで恩恵を受けられる素晴らしいチューニングだ。

しかし Linux クライアントでは開発環境の違いからかパフォーマンスがどの設定でも大幅に低下している。

Linux クライアントのパフォーマンス大幅低下

まずランチャーを立ち上げて PLAY を押すとこんな警告が出てくる。

※2018年7月現在、警告は消えたが設定を高画質から変更すると相変わらずパフォーマンスが低下する。

Linuxだと特定の設定下でパフォーマンスが低下するという内容だ。この特定の設定というのもなんのことか定かではない。アップデート前だと安定してゲームが動作していたが ver 1.77 にアップデートしたらかなりカクつくようになってしまった。グラフィックの設定を低く変更してもこれがまったくと言って良いほど改善されない。

フォーラムでも同じ事象が報告されており、おそらくOpenGL が問題ではないかと言われているがGaijin(War Thunderの開発運営会社)からは詳細は開示されていない。

追記:フォーラムによればMacOSユーザも同様の問題を経験しているようだ。被害者が多いようで心強い。

  • WarThunder Forum – Linux related problems v1.77 and -20fps and black blotches on ground リンク切れ
    (https://forum.warthunder.com/index.php?/topic/402831-v177-and-20fps-and-black-blotches-on-ground/&_fromLogin=1)
  • WarThunder Forum – Mac related problems HUGE perfromance drop since 1.77 リンク切れ
    (https://forum.warthunder.com/index.php?/topic/402895-huge-perfromance-drop-since-177/)

唯一の救いは Gaijin がこの問題を把握していることだ。Linux 単体の問題でリリースを先延ばししたくなかったのだろう。 Linux ゲーマーはこういうところでいつも孤独感を味わうが 30 fps でも遊べないこともないので信じて待つしかない。

WAR THUNDER PRESENTS Update 1.77 “Advancing Storm”

今後の War Thunder on Linux はどうなっていくのか

ここからは勝手な予想。

追記:現状の Linux版がなぜろくでもないことになっているのか別記事にまとめたのでよろしければどうぞ

先ほども述べたが問題の根幹となっているのはおそらくAPIだ。マジョリティである Windows ユーザのためにどうしても Windows で最高のパフォーマンスを引き出す DirectX を主軸に置かざる得ない状況なのではないかと考える。

Gaijinにとって Direct X と OpenGL 双方をサポートしている現状が結構きついと思う。そこで解決策となってくるのが Vulkan API への移行だ。Vulkan は様々なプラットフォームで使えるにも関わらず、低オーバーヘッドな API で DirectX 12 に匹敵する性能があると言われている。

去年の Q&A で、Gaijin は Vulkan に興味を示しており、将来的には移行したいと答えた。  Gaijin は Vulkan のスポンサーもしているのでかなり現実味がある。

WarThunder – Answers from developers!

Q. Will there be Vulcan АPI and TXAA antialiasing, or will 6x FXAA at least be returned?

A. Vulcan is very interesting to us and we support its development (link). We hope that it might replace OpenGL in the Linux and Windows versions in the near future, and possibly Direct X 9.0. That depends on whether graphics card manufacturers support it.

今後グラボメーカーがサポートするかどうかで決めるとのこと。相変わらず Vulkan の綴りが間違っているのはご愛嬌。

Vulkan のメンバーには120社もの企業が参加している巨大プロジェクトだ。これから業界スタンダードになっていく可能性も高い。当然 Intel や AMD 、Nvidia なども参画している。

Khronos Members

マイクロソフトもメンバーに名を連ねているが、最近 Linux コミュニティや OSS コミュニティなど、どこにでも出歯亀のように頭を突っ込んでくるので何を考えているのかわからない。

現在 Windows 版では、DirectX 11 を使っているが、同じ低レベルAPIでも Windows OS でしか使えない DirectX 12 にいかず、 Vulkan を使うといった感じだ(希望的観測)。Dagor エンジンを移植できるころには Linux 版だけバグが発生して取り残される問題もかなり減ると考えられる。

ただ Vulkan のような低レベル API を打ち込んでいくにはかなりの時間と人手が必要となってくる。なにより直接的にデバイスを操作できるようになるためメモリ管理など厳格に行わなければならず、パフォーマンスはデベロッパーの技量にかかってくる。よくて来年以降ということになってしまうだろう。

リリースされたとしても劇的なパフォーマンスの改善は見られないと思うが、多くのプラットフォームに対応するというのはユーザーにとってもエンジニアにとっても良いことではないかと思う。

ということで当ブログは Vulkan API の普及を応援しています。

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おわり

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